もう一人 ページ6
｢その腕は…戦争で？｣
スティーブは私に握られた手を擦りながら尋ねた。
やっぱり痛かったんだろうか、申し訳なかったなという気が湧いてくる。
『まさか、そんな事ないよ。ただの事故さ』
苦笑を浮かべつつ返答をする。
するとどうだ、何やらバツが悪そうに目を伏せるではないか。
｢済まない…嫌な事を聞いてしまって｣
『別に気にする事ないよ、もうだいぶ前の事だし…今更傷ついたりもしないから』
落ち込む様な表情を浮かべるスティーブの肩を、今度は左手で軽く叩いた。
大丈夫、という意思が伝わってくれたのか、彼は小さく笑ってくれた。
｢…次は僕が自己紹介しても構わないかな？｣
スティーブとは別に、落ち着いた声で切り出した男が1人。
見た目的には、研究者を思わせる様な姿をしていた。
『ええ、もちろん。貴方は？』
｢僕はブルース・バナー。よろしく、A｣
『ブルース…ああ、貴方がハルクか。こちらこそ』
差し出された左手を握り返し、昨夜見返していた資料の人物と目の前の男を一致させる。
あのハルクの見た目にそぐわぬ優しそうな顔をしていた。
手を離した後、バナーはナターシャと同じ様に私の右手を見始める。
｢…それはお手製？｣
『いいや、他人製だよ。私が作れる様な物に見える？』
｢…思わないかな｣
『ならよかった。私はメカニックじゃあないからね』
冗談交じりにそう言うと、バナーは苦笑した。
｢各々の紹介は済んだか、君達？｣
ずっと様子を見ていたフューリーが口を開いた。
｢ようこそ｣
そう口にするとバナーの前に歩み寄り、握手を求めた。
それから話はキューブについて。
衛生に繋がっている全カメラを確認しているS.H.I.E.L.D.のやり方に対し、バナーは実に明確な探し方を提案した。
流石は研究者、効率のいい探し方を提案する。
その後、ナターシャの案内の元バナーはラボへと向かって行った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 67人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆず招き猫(プロフ) - まべさん» ありがとうございます！頑張らせて頂きますね…！！ (2019年7月8日 21時) (
レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
まべ - とっても面白いです！更新頑張ってください！ (2019年7月8日 20時) (レス) id: c2b967cffd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆず招き猫 | 作成日時：2019年6月2日 21時
