襲撃 ページ12
帰還から数時間。
あれから日も開けて太陽も昇っている。
私はフューリーのいないコックピットに居た。
『…あれ、フューリーは？』
居ない事が珍しいものだったので、傍にいたヒルに聞いてみた。
｢長官なら先程ラボに向かってたわよ、用があるなら行ってみたらどう？｣
『ラボか…嫌な予感しかしないけど、行ってみるよ。ありがと』
軽く手を振ってコックピットを後にする。
ラボに歩いて近付くにつれ、何やら言い合う声が響いていた。
扉が閉まっているのにも構わずだ。
中にはフューリーを始め、ナターシャ、トニー・スターク、ソー、スティーブにバナーと全員が居た。
何か問題でもあったんだろうか。
扉に近付くと音もなく扉が開く。
『えっと…何か揉め事？問題でも起きた？』
私が声を掛けると一斉に皆がこちらを向く。
な、なんだ。一斉に視線を向けられると流石の私でも自然と身が引いたぞ。
少したじろいだ私にフューリーが口を開く。
｢A、お前には関係のない事だ。黙っていろ｣
『おいそれ今訪ねて来た奴に言う台詞か？』
｢ふざけろとは言ってないぞ｣
『別にふざけてない、冷静だ。それから…バナー』
私はフューリーの言葉を躱して、バナーに声を掛ける。
そっと彼の手元を指差した。
『今手に取ろうとしている物…あまり触らない方がいいと思うけど』
私がそう言うとバナーは不思議と自分の手を見た。
何とその手が、ロキの杖を握ろうとした瞬間だったのだ。
『何だかカッとしていたのは空気で伝わってたよ。でも今はそんな事してる場合じゃないんだろ？
だからさ、手、離したら？』
やんわりと私が伝えると、何かを知らせる音が鳴った。
恐らくキューブの場所でも割り出せたんだろうか。
バナーが装置の所に行く。
ナターシャが傍に来て耳打ちをした。
｢止めてくれてありがとう、A。助かったわ｣
『…別にお礼は言わなくてもいいよ、集団だったら面倒な時だってあるだろうしさ』
小さく笑ってナターシャの肩を軽く叩く。
硬かった表情が少しではあるけど、崩れてくれた。
その時、不意にバナーが口にした。
｢これはまずい…｣
その言葉が引き金か否か、ラボの床から爆炎が噴く。
第3エンジンが何者かに爆破されたのだった。
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ゆず招き猫(プロフ) - まべさん» ありがとうございます！頑張らせて頂きますね…！！ (2019年7月8日 21時) (
レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
まべ - とっても面白いです！更新頑張ってください！ (2019年7月8日 20時) (レス) id: c2b967cffd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず招き猫 | 作成日時：2019年6月2日 21時
