スカウト ページ1
日本−東京某所−
私は路地を歩いていると、後ろから声をかけられた。
黒外套に眼帯という、何とも日本人離れした男だった。
｢君は、A…で間違いないか｣
『…初対面で人の名前を呼ぶのはどうかと思うがね。アンタ外国人？道にでも迷った？』
恐らく外人…そう考えた私は英語で返した。
『悪いけど急いでるんだ、失礼させてもらうよ』
踵を返してその場を立ち去ろうとしたけど…。
｢日本で有名な槍使いの英雄とは、君の事だろう？｣
男は突然そんな事を告げてきた。
その時私は物凄く睨んだと思う。
『……どこでそれを』
思わずそう尋ねると男はさらりと言い放った。
｢君の噂は全米でも広まっているが？｣
『何それ最悪…』
深くため息をつくと、そこで、と男は続ける。
｢提案というか…これは勧誘だ、何日かゆっくり考えて検討してくれて構わない｣
『何だ、何が望みなんだ…』
半ば話を聞いていなかった気がする。
その事をきちんと聞いていない事に私は後々後悔する事になる。
｢我々の計画…アベンジャーズ計画に、君も参加をして欲しい｣
『ああ…何だそんな事か、分かった。引き受ける』
まあ、すんなり了承されるとは思ってなかった男は少しの間固まっていた。
｢…即決だな｣
『知らないのか、日本人は行動が早い人種何だぞ。そら決まったら何だ、私は何をすればいい？』
多分行動が早い…というのは限らないと思う。うん。
｢そうだな…まずは、君の〈右腕〉を用意する所からだろう｣
『うわ…何でもお見通しって訳か。外人てのは怖いもんだ』
｢外人ではなく、我々の事はS.H.I.E.L.D.と呼んでもらおうか｣
S.H.I.E.L.D.？
S.H.I.E.L.D.か…聞き慣れないな。
しかし、私の頭にはその単語がしっかりと刻まれた。
男は私の承諾を少しだけ嬉しそうにしている様にも見て取れ、私を眺めながらこう言った。
｢まさか…かの有名な日本の英雄、《片腕の槍使い》に参戦して貰う事になるとはな｣
『…その呼び方はやめてくれ。誰が付けたのかは知らないけど私は嫌いだぞ、それ』
｢おっと、それは済まない｣
『アンタ反省してないだろう？』
呆れる様にそう言うと、男は手を差し出してきた。
｢申し遅れたな、私はニック・フューリー。これからよろしく頼む｣
『…名乗らなくても良いだろうけど、私はA・ハッカー。不本意だけどよろしく』
こうして、私の平凡な日常は終止符を打った。
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ゆず招き猫(プロフ) - まべさん» ありがとうございます！頑張らせて頂きますね…！！ (2019年7月8日 21時) (
レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
まべ - とっても面白いです！更新頑張ってください！ (2019年7月8日 20時) (レス) id: c2b967cffd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず招き猫 | 作成日時：2019年6月2日 21時
