消えたアイツ ページ31
エースside
サッチから材料の調達を頼まれて、俺だけじゃ心配だからAも連れて行ったらどうだと言われた。
Aは確かにここに来たばかりだから、案内ついでにまた連れてってやろうと思った。
部屋に行くと、アイツはベッドの上で最初力無く寝転がっていた。
行こうと声をかけると
『はぁいこれ絶対あれなやつ！！！』
と叫んだ。
相変わらず可笑しいけど面白い奴だなと、どこかひっそりとそう思った自分がいる。
その後渋々とだが、買い出しに付き合ってくれた。
きょろきょろと店を回ってると、美味そうな肉を売ってる店があった。
空かさず駆け寄って眺めに行った俺が、馬鹿だったのかもしれない。
｢なあ、A！ついでにこの肉も買って…｣
帰ろう、そう言おうと後ろを振り返ったけどそこにAは居なかった。
｢A？…どこ行った？｣
俺はAとはぐれてしまった。
そういう事に気付いたのは、俺が船に戻ってからの事。
｢｢Aとはぐれただぁ？！！｣｣
｢帰って来てねーんなら、多分｣
｢アホかエース！何一人にしてんだよ、Aは女なんだぞ！！｣
｢いっでェ！？｣
サッチにも殴られる始末。
｢…じゃあ何だ、お前が離れた所にAは既に居なかったのか｣
｢多分…歩いていったんだと思う｣
マルコは呆れ気味に首を横に振る。
｢何だ、随分と騒がしいじゃねェか。お前ら｣
｢あ、オヤジ！｣
皆一斉に振り返ると、そこにはオヤジが立っていた。
｢…事情は大方聞かせて貰った。エース、オメェ…Aとはぐれたってなァ｣
｢うぐっ…あ、ああ、そうなんだ…｣
俺は段々自分のした事に苛立ちを覚えてきた。
しかしオヤジは、何時もの様に笑う。
そして思わぬ事を言った。
｢居ねぇってならしょうがねェ事だ、だがこれを好機と見てみろ。おれの縄張りで好き勝手する奴等を纏めて始 末出来るとなりゃァ｣
万事解決じゃねェか、と。
要は、Aを探し出し人攫いの奴等を全滅させろという事…何だろうか。
｢そら、善は急げだ。とっととAを連れて帰って来い、息子共ォ！！｣
オヤジのその一声に、皆が声を上げる。
ぽかんとしていると、マルコがぽんと俺の頭に手を置く。
｢お前がアイツの事よく知ってんだ、エース。居そうな所にはお前が案内しろよい｣
｢…おう！｣
恐らくAは人攫い達と居る、攫われたってなら取り返す。
だから、暫く踏ん張れよ、A。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 194人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
【転生】透明の情報屋は海を旅する【ONE PIECE】3
死んだと思ったら大間違い、目が覚めたら見覚えのある世界で生きる事になってしま... 【ONE PIECE】貴方に捧げるMy Life.4もっと見る
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆず招き猫(プロフ) - なつさん» はい！頑張らせて頂きます！今後もどうぞお楽しみに！ (2019年2月5日 22時) (
レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - ゆず招き猫さん» いえ！更新頑張って下さいね！楽しみにしてます (2019年2月5日 22時) (レス) id: 31f489252f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず招き猫(プロフ) - なつさん» ぎゃ、マジですか。わざわざすみません…訂正しようと思います、ありがとうございます (2019年2月5日 22時) (レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - 設定に書いてある八方美人ってあんまり褒め言葉ではないような気がします............. (2019年2月5日 22時) (レス) id: 31f489252f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆず招き猫 | 作成日時：2019年1月27日 18時
