卑怯過ぎんだろ ページ30
｢用と言っちゃあ何だが…お前には色々とやられちまったからなァ、一つ言うなら…｣
男がそう言葉を切ると、カチャリという機械音が私の背後で音を立てる。
銃だ。
銃口が私の背中に当たっている。
…おいおい、レディ相手にそらなくねぇか？？
『…なんの真似です』
｢決まってんだろ、オレ達は人攫いだ。攫う他にあるか？｣
いや知らねぇよ。知ったこっちゃねぇ。
『脅しのつもりっぽいですけど、そんなの意味ないですよ？私に後ろ盾が居るのご存知で？』
下ろしていた手を木刀ではなく、刀に掛ける。
カタ、と小さく音を立て鯉口を切る。
｢おっと、刀は抜くなよ。でないと…このガキは助からないぜ｣
そう言った男の背後からもう一人の男が横に出る。
何とその腕には、頭に銃を突き付けられた小さな女の子が居た。
思わず目を見開いた。こんな年端も行かない子供を、人質に取るなんて。
『…アンタら、今やってる事どれだけ酷いと思ってるんです。非道ですよ、それ』
女の子は涙目だ。ずっと泣くのを堪えている様にも見える。
｢ンなのは充分理解してんだよ、死ぬのを見たくなかったら…オレ達に従え｣
刀から手を離せと言われたので、ここは大人しく手を離す。
それから両手を後ろで固定され、手錠をかけられた。
くっっそ、悪趣味だなこいつら。
抵抗出来ない事をいい事に、男達は私と女の子を連れ人気のない森へと連れて行く。
辿り着いたのは廃墟と化した建物。
中に入ると、男達が何人もいた。
それから奥の部屋へと連行される。
すると、そこには手錠を掛けられ、力なく座り込んでいる女性が数人居た。
(この人達、まさか…)
攫われた人達、そう考えると自然と苛立ちが込み上げてきた。
先程人質に取られていた女の子はその部屋に放り込まれる。
私はというと、その部屋には入れられず、その手前の部屋で座らされた。
｢さて、目的は達成した。これだけの上玉が居ればバイヤーも高く値を付けるだろ｣
男はそう言うと、やにわに私の顎を持ち上げる。
…下品な目を向けんじゃないよ、嫌われるぜ、その目は。
『…誰が大人しく売られると思います？私を攫ったからには、貴方達』
最悪死にますよ、と言葉を付け加えた。
｢ハッ、強がってやれるのも今の内だぜ？｣
『そっちこそそうですよ。あーでもまあ、阿呆には分かりませんかー』
挑発の意を込めてふざけ半分で揶揄う。
というか…エースさんはよ助けに来いや。
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ゆず招き猫(プロフ) - なつさん» はい！頑張らせて頂きます！今後もどうぞお楽しみに！ (2019年2月5日 22時) (
レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - ゆず招き猫さん» いえ！更新頑張って下さいね！楽しみにしてます (2019年2月5日 22時) (レス) id: 31f489252f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず招き猫(プロフ) - なつさん» ぎゃ、マジですか。わざわざすみません…訂正しようと思います、ありがとうございます (2019年2月5日 22時) (レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - 設定に書いてある八方美人ってあんまり褒め言葉ではないような気がします............. (2019年2月5日 22時) (レス) id: 31f489252f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず招き猫 | 作成日時：2019年1月27日 18時
