連行先 ページ16
引き摺られながら連行される事暫く。
私は抵抗を諦めて刀を抱えていた。
はっきり言うと腕が疲れた、それだけ。
手が離れたらどう逃げようかと引き摺られながらうんぬん考える中、エースさんがぴたりと止まった。
｢着いたぜー｣
以前首根っこは掴まれたままだったが、エースさんの方を振り返ってみると、その背後には何だか見覚えのある大きな船が。
……待って、これはやばいのでは？
『…帰っていいですか？』
｢ダメ｣
くっそう、即答かよ！！帰りたいんだけどな！！帰れないけど！！
｢おーい、エースー！！探してたやつ見つけたのかあー？｣
ぎりぎりと歯軋りを鳴らす中、船の方から声が掛けられる。
｢おー！見つけたぞ！！こいつだった、こいつ！！｣
嬉しそうにその言葉に応え、また私を引き摺る。
『ちょ、離して下さいよ！いい加減！！』
｢離したらお前逃げるだろ？だから離さねぇ｣
『こんの馬鹿力ぁー！！』
｢へへ、逃げられると思うなよー？｣
けらけらと笑うエースさんに少し苛立ちを向けた私だったが、為す術もなかったのでそのまま船の上へと連れて行かれてしまったのだった。
そして強制的に船に乗せられた事数分間。
私は船員達に観察される羽目になった。
大の大人達に見られるって結構怖いんだけど！？
辞めてくれないかな？！無理だけど！！
うう…エースさんが首根っこ離してさえくれれば全力ダッシュして逃げるのに…。
生憎警戒心の強いエースさんは私の首根っこを全く離そうとしない。
やだ怖いよ…誰かこの人の拘束辞めさせて…。
『死んでた方がマシだった…』
｢……エース、その子多分怖がってるぞ｣
｢え、マジで？｣
わー…どこからが救いの声が聞こえるよー…空耳かなぁ…。
｢…あ、マジだ。若干涙目になってんな、こいつ｣
｢お前ずっと掴んでるからだろ…ほら、離してやれ｣
｢でもよー、こいつ離したら絶対逃げるぜ？サッチ｣
……ねえ、今サッチって言った？
サッチって、あれでしょ？確か…渾名がフランスパンのサッチさん。
救いの手を差し伸べてくれたの貴方何ですかー！
何て考えていると首根っこを掴んでいたエースさんの手が離れた。
『…離してくれてありがとうございます』
｢逃げようとすんなよ？せっかく連れてきたんだからな｣
『乱暴な目に会いたくはないんで多分逃げないですよ…』
今無駄な抵抗は辞めておこう、私はそう考えた。
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ゆず招き猫(プロフ) - なつさん» はい！頑張らせて頂きます！今後もどうぞお楽しみに！ (2019年2月5日 22時) (
レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - ゆず招き猫さん» いえ！更新頑張って下さいね！楽しみにしてます (2019年2月5日 22時) (レス) id: 31f489252f (このIDを非表示/違反報告)
ゆず招き猫(プロフ) - なつさん» ぎゃ、マジですか。わざわざすみません…訂正しようと思います、ありがとうございます (2019年2月5日 22時) (レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - 設定に書いてある八方美人ってあんまり褒め言葉ではないような気がします............. (2019年2月5日 22時) (レス) id: 31f489252f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず招き猫 | 作成日時：2019年1月27日 18時
