本当の ページ30
｢なあ、スザク｣
『うん…？』
腕を擦る手を止め、今度は頬へと手が伝う
兄さんの手は少しひんやりしている
夜風に当たりすぎているのかもしれない
｢…もういいんじゃないか？"偽りの名"を名乗るのは。海軍にもお前の身元は知られてる。まだ隠してはいるが…その内バラされるかもしれない。
だからその前に…そうだな、お前が信頼してる奴にくらい、お前の"本当の名"を教えてやったらどうだ？｣
…
"本当の名"、か
今の名前も結構気に入ってはいたんだが、そうだな
元の名前は両親からの大切な贈り物
それを無下にする事はできない
｢…と、少しだけ話は脱線するけど｣
『…？』
｢スザクの"元の名"は俺達の両親が考えて付けたものじゃない。ましてやじいちゃんでもない。スザクに名前を付けてくれたのは───"冥王"シルバーズ･レイリーなんだ｣
『……誰？』
｢うーん思ってた答え。えっとなァ…かつてこの海を征した"海賊王"ゴール･D･ロジャーの右腕だった人だよ。
じいちゃんと繋がりがあったっぽくてな。詳しい事はまだ知らないけど…名付けはレイリーさんがしてくれたんだって父さんから聞いてたんだ｣
かの"海賊王"の右腕が…？
…謎だな…祖父は…。
｢…ま、いつかレイリーさんに会ったら詳細聞いといてよ。じいちゃんと何の関わりがあったのかとか色々｣
『…うん、そうする…』
祖父の謎は深まっていくばかりだ…
｢それで、どうするんだ？｣
話は振り出しに戻る。
そんな人物と家族から貰った名だ、それなら、信頼できる奴になら言っても…いいかもしれない。
『…今の名前も好きだけど、やっぱり大切な人達がくれた名だ。言うよ、"本当の名前"』
｢…それがいい。あともうちょっと言葉が崩れてくれたら俺は嬉しい｣
『ぜ、善処はするよ…』
｢イズさん｣
｢ゲ、もう行くの？｣
｢おれの用は済んだから。……そっちが、スザク？｣
草を踏む音、振り返ればそこには目に火傷痕を負った人物が来ていた
『ああ、俺がスザクだが…何か？』
｢"ありがとな"｣
『？だから何が…』
突然お礼を言われても何の事だか
そういえば今日もこんな事あったな
｢エースを生き返らせてくれて。おれの大事な兄弟を助けてくれてありがとう｣
成程、兄弟…ね、コイツも中々に似ているな
『…フ、先に内容を話してから礼を言って欲しいものだな。…ああ、どういたしまして』
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ツバメ - 頑張って下さい楽しみにしてます (2022年4月21日 12時) (
レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
ゆず招き猫(プロフ) - ツバメさん» ツバメさん、2度目のコメントありがとうございます。頭足らずでちょっと理解が及ばないのですが続きをご所望という事ですね？申し訳ありません、前にも言いましたが執筆中でして…首を長くしてお待ちください。 (2022年4月20日 23時) (レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 何度見ても面白いです この続きに似た別の作品とその作品名はもうあるのですか！？ (2022年4月20日 19時) (レス) @page45 id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
ゆず招き猫(プロフ) - ツバメさん» ツバメさん、コメントありがとうございます。申し訳ありません、ただ今キリのいい所まで執筆中でして…公開までもう暫く首を長くしてお待ち頂ければ幸いです…。 (2022年3月21日 17時) (レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 話が面白すぎてもっと続きが見たいです 恋愛に関して疎い彼女マルコとどうくっつのかや麦わらとローとゾウ編気になります (2022年3月21日 5時) (レス) @page45 id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず招き猫 | 作成日時：2021年11月15日 17時
