反撃 ページ3
｢スザク、その…実は───｣
炎が口を開く。
俺は咄嗟に、静止をかけた。
『待て』
心臓が煩い。嫌な考えが頭から消えない。
『…言うな炎、聞きたくない。今聞いたら、戦意が削がれて俺が使い物にならなくなる』
事は全てが終わってから聞く。
それだけ言って手を下ろした。
｢スザク｣
兄さんが、俺を呼んだ。
一歩一歩ゆっくり歩んでくる。
目の前で立ち止まると、腕を広げた。
｢…おかえり｣
優しく微笑んで、優しく包んでくれた。
目の奥が熱くなる。
兄さんの服を、強く掴んだ。
『…ただいま、兄さん』
｢やっと触れられた…また少し背が伸びたんじゃないか｣
『そう…かもしれない。さっきは、ごめんなさい』
｢ふふ、いいよ。俺は怒ってない。…寧ろ謝るのは俺の方なんだ、ずっとお前の事を一人にしてたんだから｣
『そんな事ない』
少し沈んだ声。
顔は見えなくても分かる。だから抱き締められたまま、顔を上げた。
『確かにずっと一人だった…けど、炎達に会えた。アイツらと会って、俺は変われた。また笑える様になったんだ』
兄さんの頬を撫でる。
平常を保っていても泣きそうな目。
『もう大丈夫だよ。…もう大丈夫だから、泣かないで』
｢…泣いてないけど｣
『泣きそうな顔なのに？』
｢いつからそんなに男っぽくなったのさ…｣
『…誰かに似たのかも』
もぉ〜…と言いながら兄さんは目元を摘む。
小さい頃より随分丸くなった気がする。
何だか柔らかくなった。
…さて、そろそろ行かなければ。
『…兄さん、行かないと。思い出したならやる事は一つ───あの男を討つ』
｢───そうだな、俺もジョーカーの事は殴らなきゃ気が済まないし…アイツ倒さないとこの鳥籠どうにも出来ないからな｣
『うん。…炎、お前はこの階に居ろ。今は非能力者…安全は保証できない』
｢いいよ、おれも行く｣
『お前…』
｢ほっとけるわけねェだろ。好きな奴だけ見栄張らせてたまるか｣
……ん？
コイツ今、なんて。
｢ンﾞンﾞッ｣
｢ウッ…と、とにかくおれも行くから！前より覇気使い慣れてるから心配いらねェよ！｣
…兄さんからとてつもない殺気を感じる。
何かやらかしたのか、炎の奴。
『…ひとまず4段目に行こう、来るのなら背中に乗れ』
姿を鳥に変える。
乗りやすい様に炎の前に屈んだ。
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ツバメ - 頑張って下さい楽しみにしてます (2022年4月21日 12時) (
レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
ゆず招き猫(プロフ) - ツバメさん» ツバメさん、2度目のコメントありがとうございます。頭足らずでちょっと理解が及ばないのですが続きをご所望という事ですね？申し訳ありません、前にも言いましたが執筆中でして…首を長くしてお待ちください。 (2022年4月20日 23時) (レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 何度見ても面白いです この続きに似た別の作品とその作品名はもうあるのですか！？ (2022年4月20日 19時) (レス) @page45 id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
ゆず招き猫(プロフ) - ツバメさん» ツバメさん、コメントありがとうございます。申し訳ありません、ただ今キリのいい所まで執筆中でして…公開までもう暫く首を長くしてお待ち頂ければ幸いです…。 (2022年3月21日 17時) (レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 話が面白すぎてもっと続きが見たいです 恋愛に関して疎い彼女マルコとどうくっつのかや麦わらとローとゾウ編気になります (2022年3月21日 5時) (レス) @page45 id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず招き猫 | 作成日時：2021年11月15日 17時
