刹那 ページ15
唸る轟音と、走る雷。
その雷は薄らな視野でも黒く、鮮明に目の前を走り去る。
この音と雷は恐らく、覇王色の覇気の衝突。
気配から察するに、麦わらとあの男。
『…っ、う…』
息を吸えば血が臭い、溜まった血を飲み込めば鉄の味が瞬く間に広がった。
どれくらい、意識が飛んでいたんだ。
数秒、数分…数十分か、分からない。
だが麦わらが居るとなると、形勢逆転とまでは、まだならない…か。
『ゲホッ…！』
烈戦が繰り広げられている気がする。
気付かれないようにうつ伏せになる。
文字通り、麦わらが烈戦を繰り出されて…いや、若干押されてはいるが、五分五分と言ったところか。
が、やはり力差。鳥野郎に蹴飛ばされ、粘液野郎に捕まる。
(ああ、クソ…)
手っ取り早く燃やしてしまおうか、小さく掌を粘液野郎に向ける。
その時同じく転がっていた長刀と視線がかち合った。
そして口を動かす。｢動くな｣と言った様にも見えた。
何か作戦があるのかもしれない、手は下ろしておいた。
長刀の口車が回る。
その言葉により簡単に怒りの沸点を超えた粘液野郎は粘液を飛ばし、長刀を拘束した上で杖を振りかざす。
長刀はあの透明な膜を貼っている。
指を上に振るとしっかりと刀を握った長刀の腕。
それが粘液野郎に深く突き刺さり、刀は勢いよく回転する。
すると、粘液野郎から血が飛び散った。
まさか、さっきは何をやっても無駄だったのに
聞くに絶えない発狂を終えた後、ボタボタと纏っていた粘液が落ちていく。
現れたのは、細い体だった。
納得した、だから斬った試しがなかったんだ。
｢お…のれ…ロー…！！｣
粘液野郎が杖の先、火のついた方を粘液に向ける。
｢危ねェ！引火する気だ！！｣
｢道連れだァ〜〜〜！！！｣
火には、慣れてる。
瞬時に起き上がり、姿を変え嘴で長刀の右腕を
脚で長刀の身体を掴む。
悲痛な声が聞こえたが耐えて欲しい。
爆発する炎よりも高く、空へと逃げる。
乱暴ではあるが一度長刀を宙に放った後、背中に乗せた。
｢ウッ…！…おい、おれは…怪我人だぞ…｣
『ハァ…ハァ…お互い様、だろう…俺達は戦線離脱だ。それでいいか、麦わら』
｢ああ、わかった！｣
炎が小さくなってくる。
翼を折り畳んで降下しようとした、瞬時
ザンッ！！
『──……え、？』
軽くなった左翼、目を向けると
胴から離れた左腕が、残り火を纏いつつ
宙に、浮いていた
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ツバメ - 頑張って下さい楽しみにしてます (2022年4月21日 12時) (
レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
ゆず招き猫(プロフ) - ツバメさん» ツバメさん、2度目のコメントありがとうございます。頭足らずでちょっと理解が及ばないのですが続きをご所望という事ですね？申し訳ありません、前にも言いましたが執筆中でして…首を長くしてお待ちください。 (2022年4月20日 23時) (レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 何度見ても面白いです この続きに似た別の作品とその作品名はもうあるのですか！？ (2022年4月20日 19時) (レス) @page45 id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
ゆず招き猫(プロフ) - ツバメさん» ツバメさん、コメントありがとうございます。申し訳ありません、ただ今キリのいい所まで執筆中でして…公開までもう暫く首を長くしてお待ち頂ければ幸いです…。 (2022年3月21日 17時) (レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 話が面白すぎてもっと続きが見たいです 恋愛に関して疎い彼女マルコとどうくっつのかや麦わらとローとゾウ編気になります (2022年3月21日 5時) (レス) @page45 id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず招き猫 | 作成日時：2021年11月15日 17時
