怒り ページ34
火とマグマがぶつかり合う。
マグマは火を飲み込んで、炎の腕を焼いていく。
｢うわァア！！｣
｢エースが！…焼かれた…！？｣
｢"
｢エー…ス…！う…！｣
麦わらが膝をつく。
拙い、アイツはとっくに限界なんだ。
運ばないと。
飛び上がる。
急いで向かう最中、マグマの男が麦わらに殴り掛かった。
(間に合わない…！)
脚を伸ばすも届かない。
焼かれる、そう考えた瞬間
炎が麦わらの前に立ち塞がる。
炎の胴を、男の拳が貫いた。
｢え｣
｢ガフッ…！！｣
炎が血を吐く。
麦わらの足元に落ちていたビブルカードが、一気に燃えて無くなっていく。
マグマの拳が、抜かれた。
飛ぶ気力が無くなって、氷の上に降りる。
そんな、まさか。
あの炎が
｢エースがやられたァーーー！！！｣
その言葉に我に返る。
激しい怒りが腹の底から込み上げてくる。
炎を纏って飛び上がった。
｢赤犬を止めろォーーーー！！！｣
言われ無くても……！！
ダンッ！！
炎の前に立ち塞がる。
ジンベエも止めてくれている。
『下がれジンベエ…俺が相手だ！！』
｢弱い女に何が出来ゆうがァ…！！｣
脚に、炎を纏う。
マグマ同様の熱さを。炎を焼いた様に焼いてやる。
『お前を退けるぐらい女にでもできらァ！！』
飛び上がって蹴り付ける。
武装を纏えば熱くもない。勢いよく後方へ蹴りつけた。
離れたのを見れば地面に手を翳す。
『"獄炎界"！！！』
炎と、仲間を囲う様に火を放つ。
高い炎はそう簡単には越えられまい。
今のうちに手当を。
『おい炎！しっかりしろ！せっかく助かったのに…助けたのに、てめェ皆の努力を水の泡にする気か！！』
麦わらが支えている。
胴を貫かれて麦わらの身体が見える。
惨い、こんな姿。
怒鳴りたくなくても、怒鳴ってしまう。
｢ちゃんと助けて貰えなくて…すまなかった…！！｣
コイツ…！
｢何言ってんだ！バカな事言うな！！誰か手当てしてくれ！！エースを助けてくれェ！！｣
『…ッ』
また、やるべきか。
あの禁忌を、この手で。
けれど何を。
────俺は、何を"対価"にすればいい。
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作者名：ゆず招き猫 | 作成日時：2021年1月20日 9時
