恐れなし ページ25
『アイツ…無茶な…！！』
麦わらの目の前にはあの3人がいる。
さっき親父殿の技を防いだ3人だ。
｢エースは返して貰うぞーーーっ！！！｣
マストを振る。
しかしそれは一瞬の内に凍らされ、完全に凍らされる前に麦わらは手を離して連続で蹴り付ける。
だがとても効いているとは思えない。
｢オーズ！！そこにいろ！お前の力が必要だ！！スザク！一旦引け！！｣
『…分かった！済まない国引き、何もしてやれなくて…』
｢い゛いんだ…オイダ…お前さんに会えだだけでも…良かっだがら…｣
グッと堪える。
肩を撫でて、親父殿の所に飛び降りた。
｢準備しろ…広場へ突入する、お前の力はまだ必要だ｣
『分かった。…まだ平気か親父殿』
｢おめェ誰に物言ってやがる｣
心配してやってるのに蔑ろにするのか。
酷いな親父殿。
『…モビーはどうした、まさか俺が防ぎきれなくて』
｢いや…アイツはよく耐えてくれたさ｣
親父殿の背後に目を向ける。
さっきの攻撃ではない、砲弾により沈み掛けている白鯨の船があった。
帰る場所が海に沈んで行く。
それでも、今は悲しんでいられない。
(…ありがとう、俺の帰る場所になってくれて)
心の中でそっと、白鯨に礼を言った。
今は前を向いて進まないと。
無事に誇れる様に。
炎の首が刎ねられようとした瞬間、何故かあの砂の男がそれを止めた。
どういう意図があって止めたのかは知らないがチャンスだ。
まだ助けられる。
麦わらだが、先程光線を撃ってきた奴に蹴り落とされ、氷の男に刺されそうになるも不死鳥が阻止した。
｢丁度いい…スザク、マルコに続け！おれもすぐに合流する！｣
『了解！』
包囲壁を超えて先に広場へ。
海兵が多い。
当然か、何せ包囲壁の外だ。守りも硬い。
｢未確認の能力者だーーっ！！｣
｢撃て！撃てェ！！｣
続け様に銃を放たれる。
勿論、届く前に躱すか溶かすかだ。
俺に銃は効かない。
『"鬼火"！！』
青い炎を放って爆発させる。
大体は減らさないと後がキツイだろう。
｢2番隊の隊長を討ち取れェーー！！｣
…今更遅い。
国引きによってずっと海の中に潜んでいた船が陸に上げられる。
親父殿も乗っていた。
これで合流できたな。
｢下がってろよ息子達…！｣
親父殿が広場に降り、薙刀を構える。
剣先に重力を乗せた一撃は、竜巻並の攻撃力を発揮した。
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作者名：ゆず招き猫 | 作成日時：2021年1月20日 9時
