彼の道 ページ24
｢おいお前！大丈夫か！！？｣
『俺よりてめェの心配しやがれ青二才』
全身の姿を解く。翼も解いた。
腕の辺りから煙が立っている。
熱くはないが…他人が触れていいものでは無いだろう。
｢お前さん腕を…｣
『触るな、恐らく火傷程度じゃ済まないぞ』
俺だから耐えれる。
生身の人間には到底無理だ。
…今のは恐らく海軍の。アイツの相手は俺が引き受けた方が良さそうだ。危険すぎる。
親父殿が壁に向かって技を繰り出す。
しかし親父殿の技ですら効かない程の硬さ。
砲台も面倒だ、氷を砕き足場を奪っていく。
あれを全て潰すのには時間が惜しい。
何とか、何とかならないものか。
《作戦はほぼ順調──これより速やかにポートガス･D･エースの──処刑を執行する！！》
クソ、海軍め。
待ったなしか、気持ちが焦り始める。
煙は収まった。
行ける。
｢うおおおお！！！｣
途端に、麦わらが駆け出す。
壁の上がっていない場所を抜けていく気か。
『おいどこへ行く！』
｢ジンベエボーイ！！麦わらボーイは！？｣
｢あそこじゃ！！｣
｢まさか！！やめな！そんなあからさまな道…！！｣
｢うわあああ！！｣
言われた途端砲撃を食らう。
単に馬鹿なだけかあれは。
｢それ見たことか！！！｣
吹き飛ばされて転がり戻ってくる。
馬鹿にも程があるぞコイツも。
『おいしっかりしろ、この馬鹿野郎が！！』
｢ハア…ゲホッ！うるせェ…！何とかしねェと…！！急がねェと…あいつらもう…エースを処刑する気なんだ！！｣
｢そうじゃな、何とかせねば…！あそこが唯一鉄壁の穴！どうにか利用せねば…！！｣
｢でもあそこは一度に少数しか通れナッシブル！！通った者から順に海軍全戦力を相手にする事になる！！｣
確かにそうだ、コイツ一人にあの戦力は絶対に敵わない。
もうこれ以上怪我は治せない。
麦わらがジンベエの腕を掴む。
息も絶え絶えだ。
｢頼みがある！！｣
ズゥ…ン！！
地鳴りがする。
だが親父殿の技ではない。
まさか。
『国引き…まだ息があったのか！』
飛び上がる。肩へと止まる。
｢エ…エ゛ースぐん…！｣
『国引き、無茶して動くな…！待ってろ今治す！！』
｢必要…ね゛ェ…！！｣
『お前…ッ！？』
何か、水柱が壁を超える。
超えて、広場へと落ちた。
水が引くとマストを担いだ麦わらがその場に構えていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 289人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆず招き猫 | 作成日時：2021年1月20日 9時
