協定 ページ19
｢だったらカバーは最優先だねい｣
『もう暫くしたら暴れられそうだ。…奴が怪我でもしたら知らせろ、2番隊』
《了解だ、隊長！》
でんでん虫で隊に指示を出す。
半分は続けて4番隊の援護に、もう半分は麦わらに。
俺が鍛えた隊の連中だ。
そう簡単にはやられないぞ、海兵。
｢戦力は欲しい所だからなァ…おい赤っ鼻ァ！！｣
｢誰が赤っ鼻じゃクラァア！！…ん！！？｣
船の下を見やる。
麦わらと同じく脱獄したであろう囚人服の集団がいた。
｢誰かと思えば…ロジャーんとこの小僧じゃねェか。懐かしいな、生きてたのか｣
海賊王のクルーだったのか、あの変な奴。
そうは見えないが…へぇ、そうなのか。
｢そんなに囚人達を引き連れて…俺の首でも取りに来たのか？｣
｢お…おうそうだ！！久しぶりだな覚悟しやがれ！！｣
足震えてるが。
あれは見栄というやつか、少しダサい。
｢首を取るのは構わねェがおめェ…その後海軍をどうする？あの数は手に負えねェぞ。実はおれもそうだ、手を焼いてる…。───どうだ一つ、海賊同士手を組んで海軍を潰さねェか？俺の首はその後にしろ｣
親父殿の提案に赤鼻は唖然としている。
恐れている者からの提案だ、まあ少なからずそんな反応はせざるを得んだろうな。
｢いいぜ"白ひげ"！！手を組んでやる！！｣
マジかコイツ。
｢呆れる程チョロい男だよい｣
『同感だ』
｢赤っ鼻はともかく後ろの囚人達は結構なタマだ、敵に回すとめんどくせェ……──こちら"白ひげ"！スクアードはいるか？｣
親父殿がでんでん虫で通信を取る。
相手は渦蜘蛛。親父殿の傘下の海賊だ。
《こちら湾頭！スクアード船長…あれ？さっきまで視界に入ってたんすけど、離れちまった様で…》
｢──じゃあディカルバン兄弟だ｣
《何だいおやっさん！／おやっさん何だい？》
｢俺の指示に従い、全海賊団の指揮をとれ！｣
すると各海賊団が動き出す。
湾外を固めていた軍艦を沈め始めた。
それまではいいだろう、問題はモビーディックから離させておいた砂の男。
まだ親父殿の首を狙ってやがる。
『奴はどうする』
恐らく俺は能力的に不利だ。火と砂では相性も悪い筈。
｢困った奴だぜ、まぜっ返しやがって……何も問題ねェよ｣
ん、ああ…彼が行ったか。
砂の男に、鉱石殿が迫る。
彼が相手なら何も問題はないだろう。
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作者名：ゆず招き猫 | 作成日時：2021年1月20日 9時
