氷河 ページ11
高い津波が両側から押し寄せてくる。
これは下手をしたら俺達も被るのか？濡れるのは厄介だな。
その時だ、ヒュウッと空気が冷たくなったのは。
｢
大きな津波が一瞬で凍りつく。
出処は、空中。
海兵の服…相手は海軍か。
｢青キジィ…！若僧が…！｣
誰だそれ。
｢
氷の槍が親父殿に降り掛かる。
しかし先程の技、"海震"で氷の槍は愚か、青キジという奴も砕ききった。
硝子の様に割れた、恐らく能力か。
氷を操る奴だ、簡単に倒れまい。
破片が海面に到達する寸前、海面一体が津波が凍ったように凍りついた。
船の動きが止まる。
逃げ道は塞がれたが…何、奪還した後は溶かせばいい。
｢砲撃ィ！モビーディックを破壊しろォ！！｣
砲弾が注がれる。
届きはしない、だが後々の処理も面倒だ。
『鬼火』
青い火を幾つか灯す。
砲台の方へ放る。
指を鳴らせば、たちまち炎が爆発した。
砲台はもう使えないだろう、道は拓けた。
『行けるか、各々方』
｢全くいいとこ持っていきやがるなァお前は！｣
｢あとは任せろ！｣
隊長達はこれで問題なく行けるだろう。
まだ、俺はここを動けない。
背は守らねば。
その時
ドンッ！！！
斬撃が氷塊を伝い、親父殿に迫る。
だが届く前に彼が止めてくれた。
ガギィン！！！
｢3番隊隊長！"ダイヤモンド・ジョズ"が止めたぞ！！｣
流石は鉱石殿。予想以上の固さだ。
仕掛けたのは…どうやら七武海の一人らしい。
遠目でも分かった、背に十字の剣を背負った男だ。
ピカッ！
次に、眩い光が目を晦ます。
また同じ様な奴だ、今度は何の能力だ。
｢"八尺瓊曲玉"｣
光の弾丸が親父殿目掛けて降り注ぐ。
弾丸…いや、光線？
｢オイオイ…眩しいじゃねェか…｣
それは同感だ。
だがその光線も親父殿に降り注ぐ前に、青い炎が全て受け止める。
ああ、お前は。
そんな風に皆を守るのか。
｢…いきなり"キング"は取れねェだろうよい｣
｢コワイねェ〜…"白ひげ海賊団"｣
｢黄猿さんの攻撃を正面から受けて…倒れねェ…！！やっぱり噂通りの能力を…！？｣
受けた痕が炎と共に消えていく。
鳥の姿は何度見ても、やっぱり綺麗で
皮肉だな、戦場なのに目を惹かれるなんて。
｢いかなる攻撃を受けても炎と共に再生する…──あれが1番隊隊長、"不死鳥マルコ"！！！｣
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作者名：ゆず招き猫 | 作成日時：2021年1月20日 9時
