青い不死鳥と朱い不死鳥《ONE PIECE》Ⅲ (ページ2)

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後ページ2

島を経って、あれから半月経った時。

もうすっかり二つの覇気を習得する事ができた。

それもこれも、特訓に協力してくれた隊長達のお陰であり、一番は傍で支えてくれた不死鳥のお陰でもある。

自分の戦法も一気に幅が広がったと思う。

実戦で使うことはまずないだろうが、何時でも使える様に気を保って置かなければならない。

それすらも特訓の内だ。

炎は、まだ帰ってこない。

半年経っても、俺が覇気を習得しても。

早く、帰ってきてくれないものか。

帰ってきてくれないと、怒りという感情を向けられそうにない。

時間が経つにつれ、殴る気も失せてしまう。

海を眺めても、地平線の向こうから炎のストライカーが帰ってくる事はない。

全くどこをほっつき歩いているのか。

親父殿も顔には出ていないが、心配なのは伺える。

──早く、帰ってくればいいのに。

それから。

世界中に、誰もが驚愕とするニュースが流されたのは、また数ヶ月後。

あまねく場所に知らされるのだ。

勿論、それは遅くもない内に俺達家族も知らせがきた。

どうか、誰も気を荒げないで欲しい。

俺だって最初は信じられなんだ、だがこれも現実。

人は事実を受け入れる事しかできない。

記事には、こう記されていた。

”火拳のエース海軍本部にて公開処刑一週間後に迫る！”

これを機に、親父殿が動いた。

海軍本部に向けて船を進めるという。

誰も反論はしなかった。

家族の事なら躊躇わないのがこの海賊団の在り方。

船は青い海を一直線に進む。

炎の公開処刑まで後、6日。