雛鳥 ページ6
｢…なあ、随分仲良くなったと思わねェ？数日前エースのヤツスザクに首絞められたのに｣
｢いや、あれは一方的に引っ付いてるだけだろい。スザクの顔見てみろ、初めておれ達と会った時の表情してるだろうが｣
｢あ〜それも確かに｣
｢……それでお前は反省したのかよい、サッチ｣
｢お前に首絞められたら反省するしかないだろ！！｣
『コックそこ退けッ！！』
何二人で話してやがんだ。
こちとら離れるのに必死こいているっていうのに。
あと逃げる手段と言えば、やはり飛ぶしか方法はない。
縁に寄りかかっているコックに声を上げて退くように指示をした。
｢ちょ、ちょ待てスザク！！そんな猛スピードで走ってこられ…たらァ！！？｣
退かない。
まあそうだ、コイツは鈍い。
咄嗟に炎を纏って翼を作る。
そのままというか、助走を付けて空へと飛び上がった。
｢あ！おいずりィぞ！！降りて来いスザク！｣
『鬱陶しい！毎日毎日犬みたいに引っ付きやがって！！船から蹴り落とすぞ！！』
｢お前が逃げるからだろーが！おれは別に悪くねェよ！｣
『俺が迷惑してる事すら視野に入れねェのかてめェは！！』
全く腹が立つ。
ここ最近腹が立ってばかりだ。
数ヶ月前を思い出す。
考え始めると頭が痛いし食欲も失せるし、何より炎が抑えられない。
｢……一段と荒ぶってんなァ、スザクってば｣
｢ああ、これはエースが悪いよい。最近あいつの顔色、前より悪くなってるからな｣
クソ、くらくらする。
まともに何も口に入れていないせいで体力の使い方も消費も荒い。
ひとまず近くの島にでも逃げよう。
船に背を向けて大空を舞う。
翼をはためかせて暫く船から離れる事にした。
マルコside.
｢あ〜！チックショ〜逃げやがった！マルコ背中乗せてくれ！あいつ追い掛ける！｣
飛んで行ったスザクを見届けた途端エースから背中に乗せろと言われる。
まあ、当然の如く。
｢お断りだよい｣
断って置いた。
｢何でだよッ！｣
｢エースゥ、お前スザクにくっつき過ぎだぜ？お陰で最近飯も全然食ってないし寝てもないって話聞くんだぞ。ちょっとはそっとしといてやれって｣
サッチはおれの代わりにエースに最近のスザクの様子を伝えた。
そしたらどうだ、変に顔歪めやがって。
｢ギッ…ぐぅ…分かったよ｣
(何だその表情は…)
…気付いてるからか、直接本人に聞いてみたいんだろうとは徐々に分かり出していた。
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セツ(プロフ) - これからも更新頑張ってください！応援しています！ (2021年1月12日 21時) (
レス) id: b28a5b6b48 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 隠し名！！！めっちゃ気になる…っ！にしても隠し名がyrってめっちゃかっこいい！センスが光りますね〜！ (2020年11月28日 10時) (レス) id: 4b111e8b4e (このIDを非表示/違反報告)
あ ま ね 。(プロフ) - すごい面白くて更新が楽しみです！！ (2020年11月13日 5時) (レス) id: 36c644cd03 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 即死級の技、鬼火！しかも青い炎とはマルコを連想させますね。先が気になる！ (2020年11月12日 15時) (レス) id: 4b111e8b4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず招き猫 | 作成日時：2020年11月8日 13時
