決意 ページ39
｢心配すんな、エースは無事に帰ってくる。お前も知ってるだろい？アイツはティーチに負ける程弱くねェって｣
肩に回っていた手が、今度は頭を撫でる。
…そうだが、アイツは短気だから少し心配な点も…。
『…俺に負ける程はあるがな』
｢スザクも負けず嫌いだねい｣
部下にやられる隊長がどこにいる。
負ける筈ないだろう、俺が。
『…まだまだ強くならないといけない』
｢今でも十分強ェのに？｣
『…俺でも不死鳥の名を冠してるんだ。今の能力に恥じない者で在りたい。俺は家族を守る"剣"になりたい』
真っ直ぐ、不死鳥を見る。
確かな意志は伝えられている筈だ。
今の自分の、スザクの名に恥じない者になりたい。
その為なら自分を犠牲にしたって構わない。
家族を守れるのなら、何だってやってやる。
｢…お前の気持ちは十分伝わった。だったら今できる事を精一杯磨け。おれも手伝うし、イゾウでもサッチでもいい、強さを磨けスザク。…特にサッチは気ィ使っていいと思うよい｣
アイツはお前に借りがあるだろうからねい。
別に返して貰わなくてもいいんだが。
不死鳥がそう言うのならコックにでも相手になってもらおう。
この能力を隅から隅まで知り尽くす為に。
ちゃんと、これまで以上に自分のものにする為に。
それから一月が経った。
他の隊長殿の助力もあってか、鳥化をしなくてもいい、また別の使い方を編み出した。
それは火を武器の形状へと変化させるもの。
勿論、形が銃であれば弾は火球。剣であれば激しく燃え盛る刃になる。
それもこれも皆のお陰だ、有難い。
何時か礼をしなければ。
また自らの隊には軽く手合わせの相手をしたり頼まれたりしている。
自分からも変わろうとしてくれているのか、隊長としてとても嬉しかった。
それと。
不死鳥からは飛び方と、覇気を教わった。
一月経っただけではまだ習得とまではいかないが、｢見聞色の覇気｣はほぼほぼ習得は出来ている。
…というより、不死鳥曰く俺は無意識に使っていたそうだ。
自分でも気付かなんだ、今は極める事に徹底している。
｢武装色の覇気｣は後回しらしい。
少しずつ強くなれている。
けれどまだまだと言ったところだ。
皆と並べる様にならないと。
親父殿の家族として、スザクの名にも恥じない様に。
今日も空は蒼い。
蒼空の下、皆に協力をして貰いながら、一歩、また一歩と確かな成長を感じていた。
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セツ(プロフ) - これからも更新頑張ってください！応援しています！ (2021年1月12日 21時) (
レス) id: b28a5b6b48 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 隠し名！！！めっちゃ気になる…っ！にしても隠し名がyrってめっちゃかっこいい！センスが光りますね〜！ (2020年11月28日 10時) (レス) id: 4b111e8b4e (このIDを非表示/違反報告)
あ ま ね 。(プロフ) - すごい面白くて更新が楽しみです！！ (2020年11月13日 5時) (レス) id: 36c644cd03 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 即死級の技、鬼火！しかも青い炎とはマルコを連想させますね。先が気になる！ (2020年11月12日 15時) (レス) id: 4b111e8b4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず招き猫 | 作成日時：2020年11月8日 13時
