Zの一番長い日 7 ページ10
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「見事なり。その集中力儂の熟睡時に匹敵する。認めざるを得ぬな、流石我が一番弟子…ぬ？」
多分今賤厳さんはザップさんを褒めてる、はず。
なのにそれ無視してザップさんはチェインさんの持つ携帯をかっさらい電話をし始めるじゃないか。
お師匠の話聞きなよ、褒められてんのに。多分。
｢アンジェリカ、今どこだい…？はっはっはっ、何だい？照れてるのかい？今何時かなんてそんな機械音声で言わなくても時間なんか関係ない世界まで僕らはこれから飛ぶんだ｣
『クズ』
しかもそれ時報なのね、してやられてんじゃん。
それから拗ねて車の上に寝転がるの何なの。
後悔するなら釣られるなよ、まあこれってチェインさんの手柄だよね、きっと。
…つかチェインさんの口からあんな言葉出るとは思わなかったなあ、やる気出させるためとはいえ。
｢オラ、拗ねてないで通訳しろ。結果オーライじゃないか。寧ろお前チェインに感謝すべきだぞ｣
『真胎蛋が泣いてる』
｢駄目っす、全く見える気配もないっす｣
『ねえつついても怒られない？涙拭いた方がいい？』
｢どさくさに紛れて世話焼こうとするなA｣
いや染みるんかなあと思って拭いた方がいいかなあって。
｢しかし参ったな…諱名が掴めなきゃ長老級の封印は到底無理だぞ｣
｢そうなんですが…｣
『……(ごしごし)』
泣きやめ真胎蛋、染みるのは分かったから。
｢…A？｣
『…アイ、スイマセン』
ちぇ、ちょっとくらい別にいいでやんの。釣れないなあスティーブンさんったら。
もう無害になったしちょっとくらいいいじゃないか、ちぇ。
｢ギャギャシャシャシャギャキキシャシシ｣
｢あースイマセン師匠殿、何言ってるか全然分からないんです｣
｢恐らく
クラウスさんが推測する。
言われてみれば確かに。
真の名は魂に刻まれる…みたいな事、前に本で読んだっけ。それと同じかな。
｢なるほど…じゃあ半身欠損の本体は行動中なのね｣
｢……おいちょっと待ってくれ、それじゃ…ただ千切れた体の一部分が俺達と正面から渡り合ったのか？｣
スティーブンさんの言葉にお師匠さんは清々しい程のグッジョブ。
｢…どうやら正解の様よ｣
｢参るなー｣
｢ではその本体は今どこに…｣
｢ギャギギキキシャアガギギ｣
｢はあ？！弟弟子！？連れて来るって…どういう事だ！？｣
その前に通訳してよザップさん。
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作者名：ゆず招き猫 | 作成日時：2020年5月24日 0時
