Zの一番長い日 9 ページ12
･
｢ギシャシャシャギギガジャシャ｣
『えーあー…えっと、はい？』
ごめん賤厳さんほんとに何言ってんの。
チラチラとザップさんに視線を送る。
その視線に気付いたのもつかの間、サムズアップされて
｢がんばれ｣
の一言。
『いや訳せよ、わかんないんだぞアンタと違って。このクソ猿』
｢ああん？！｣
｢Aもっと言ってやんなさい｣
｢テメーも煽るなメス犬！！｣
ったくよー。ほーんと人間のクズ代表なんだから。ムカつくと言ったら何の…バディ頼んだ。
スパァンッ！
｢イッデェ！！何しやがんだテメー！｣
知るかバーカ、自業自得だろ。
あーあ、賤厳さんまた血法の作った手で頭握り潰してくれませんか。なーんて。
｢……｣
グシャグシャ
『え、ちょ、待ってなん…なに？』
そんな事考えてたら血法じゃない方の手でグシャグシャと頭を撫でられた。
そりゃもうポカンとするしザップさんもおんなじ顔したし。
どうしたの賤厳さん。
｢キシャアシャアギギ｣
『…？』
｢ギシャシャシャ｣
思った以上にガサガサとした手。
でも全然嫌ってわけじゃなくて、寧ろ気持ちいような。
頭を撫でられた後少し頬も撫でられてそこで話は終わった。
ええ…結局なんだったの、終始わかんなかったんだけど。
｢…そろそろ来るぞ、全員準備しろ！｣
スティーブンさんの一言で我に返る。
俺確かハマーさん飛ばさなきゃならないんだった。
『バディ、よろしく』
コツ、と地面を足で叩くと、自分の影からバディがゆらりと姿を現す。
『ハマーさん乗っててください、合図出たら飛ばします』
｢わかった！にしてもすごいね、これ植物？｣
『まあそんなとこっす』
純粋に褒められるのはなんか嬉しい。
ハマーさんはしばらくぺたぺたとバディを触っていた。
Zapp side.
｢…おいジジイ、さっきのどういう意味だ｣
「何がだ」
｢とぼけんな、アイツに言った事だよ。何なんだよ、"神になるな"って｣
「…言葉通りだ、それ意外あるまい」
嘘つけこのクソジジイ。
何でアイツにそれ前提の事言ったんだ、アイツはただの人間じゃねぇかよ。
「貴様が"そちら"に逝くにはまだ早い」
『…？』
「"神になるな、あちらに呑まれてはならんぞ"」
…どう考えたって裏がある言葉過ぎんだろ。
言わねえ方が身のためか、アイツにも…番頭にも。
つか何だよさっきの撫で回しはよォ、気色悪いわ。
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作者名：ゆず招き猫 | 作成日時：2020年5月24日 0時
