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騒動は突然に4 ページ10

「質問には答えてやった。では死 ね」


『いやお前人の話は最後までちゃんと聞けよ、あの世で薄情者薄情者って罵ってやんぞ』


「…聞いてやろう」


土壇場の静止には答えてくれるようだ。


なんと人のいいトンズラ野郎なのか。


『さっきも言ったけど、俺そのライブラとかとは関わりないんで。あとこれから俺死 ぬ事になるっぽいけど…。


死 ぬのはてめーの方だから』


言葉の続きに苛立ったのか、引き金に力が籠る。


その途端、引き金が引かれるよりも先に、目の前の男に何かが絡みついた。


それは触手の様に見て取れたりもすれば、薔薇の枝の様にも見られる。


「ぐっ…!?」


『あー惜しい惜しい。あとちょっとで殺 れたってのに…でもね、俺は殺 せないよ。このイバラを全てやっつけない限りはね』


「なん…だと?!」


『暴れない方がいいよ、棘が食い込むから』


薔薇の棘とは固く鋭いもの。


俺も取り扱っては何度指を切ったことか。


ミシミシと次第に男を絞めていく。


尋常ならざる力に男は顔を歪めていく。


『いい事教えてやんよ』


不敵に笑みを浮かべ、口を開く。


『このイバラ、俺の言う事しか聞かないから…アンタをどうしようが俺の勝手なんだ』


つまりは息の根を止める事も容易いという事。


けどまあ、そこまでやらなくてもいいだろうとも思った。


殺しはあまり好きじゃない。


『ま、と言っても殺さないから安心しろよ。但し…もう俺に関わるな、俺は平穏に生きたいからな』


そんじゃばいばい、と言い切りイバラで男を遥か彼方へ放り飛ばした。


…ふむ、街の外まで飛んでったな。なむなむ…。


『よ…っこらせ、うあー…いたた』


瓦礫に手を置いて立ち上がる。


蹴られた横腹を抑えてみる、これは何本か逝ってる事間違いない。


「Aさん!!」


『おーレオナルドやーい』


「軽っ?!襲われた割に軽っ?!!」


『うるせー怪我人に向かってそんなデカい声出すな』


「キキィ!!」


『ごふっ』


よろよろとレオナルドの方へ歩いていると、ソニックによる頭突きを腹に喰らった。


ちょ、待てお前。絶対わざとだろ。


「ソニックー!!?」


吐血しちまったじゃねーか、レオナルド顔真っ青になってんじゃねーか。


ぜってーわざとだ。


恨むぞこの時ばかりは。


頭突きを喰らい、ついでの様に意識も薄れてくる。


恐らく緊張状態が解けたのかもしれない。


俺はばたりとその場に倒れてしまった。

失ったモノ、得た力→←騒動は突然に3



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とーる(プロフ) - ああ俺っ娘大好きですうう、、ありがとうございますうう、、 (3月3日 21時) (レス) @page13 id: 2c1a894765 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 男…?女…?どっち…? でも6ページで養女って書いてあるから女…? (2020年11月7日 17時) (レス) id: 4f6aa0ae22 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず招き猫(プロフ) - リャオトンさん» 読んで頂きありがとうございます(´˘`*)主人公好きですか〜めちゃくちゃ励みになる言葉を頂きました、感謝感激雨霰!引き続き投稿頑張らせてもらいます〜! (2020年4月27日 19時) (レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
リャオトン(プロフ) - めっちゃ好きです!主人公が好きですね〜^ ^投稿頑張ってください! (2020年4月27日 1時) (レス) id: 4ccf657d3b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず招き猫 | 作成日時:2019年8月20日 22時

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