名前を授けて8 ページ39
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「…元の名があると?」
クラウスさんが少し控えめに聞いてくる。
あるにはあるよ、元の名前。
別にそんな控えめに聞かなくても。
『俺の元の苗字は
ふむ、とクラウスさんは頷く。
そして一呼吸置いて
「A ヤオ君」
『うい』
なぜか元の名前で呼ばれた。
返事をしたらなんか満足そうにほくほくしてるクラウスさん。
…何だこの上司、めっちゃ可愛い。
胸がなんかギューって締め付けられた。
これが癒しか…。
「どちらの名も素敵なものだ。大事にしたまえ、A君」
『…ひゃい』
掛けられる言葉がめっちゃ紳士で思わず空気が抜けていくような返事を返してしまった。
…クラウスさん、いい意味でめっちゃ怖いです。
褒められた事を噛み締めながら皿洗いも終わり、皆がいる所へ2人で戻った。
「A、また資料纏めるの頼めるかい?」
『…ちょっと落ち着かせてください』
「え?」
資料纏めの前に俺はソファに座ってパソコンを弄っているレオナルドに抱き着いた。
「うおっ!?え、Aさん?!」
『…すまんレオナルド、暫くこうさせて』
「なぜ?!」
うるへえ、俺は今照れてんだい。
紛らわさせろい。
ぎゅうっと抱き着いて顔を隠していると「Aさぁーん…」って弱々しくレオナルドが呼ぶ。
『…何』
「スティーブンさんが資料纏めて欲しそうな顔してます」
どんだけ俺に資料纏めさせたいんだスティーブンさん。
『…バディに任せる』
「ええ?何言ってんすか?」
レオナルドの疑問を無視してすい、と指を振る。
するりとソファの下からツタが数本伸びて器用に資料を纏める。
数分後
『スティーブンさんどーぞ…』
「う、うん。ありがとう」
もう暫く資料纏め任せないで。
何てオーラを放っておく。
スティーブンさんは苦笑いをしていた。すんません。
「あのおAさん、さっき言ったバディって…」
もう平常心を取り戻したのか、レオナルドが聞いてくる。
『…ツタの名前。いっその事それでいいかなって』
レオナルドの背中に顔を埋めながら呟く。
ツタの名前は決まった。
そしたらレオナルドがクスッと笑った気がした。
「いい名前ですね」
『…おう』
ネーミングセンスは皆無だがな。
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バディは仲間、相棒という意味をもつ。
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とーる(プロフ) - ああ俺っ娘大好きですうう、、ありがとうございますうう、、 (3月3日 21時) (レス) @page13 id: 2c1a894765 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 男…?女…?どっち…? でも6ページで養女って書いてあるから女…? (2020年11月7日 17時) (レス) id: 4f6aa0ae22 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず招き猫(プロフ) - リャオトンさん» 読んで頂きありがとうございます(´˘`*)主人公好きですか〜めちゃくちゃ励みになる言葉を頂きました、感謝感激雨霰!引き続き投稿頑張らせてもらいます〜! (2020年4月27日 19時) (レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
リャオトン(プロフ) - めっちゃ好きです!主人公が好きですね〜^ ^投稿頑張ってください! (2020年4月27日 1時) (レス) id: 4ccf657d3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず招き猫 | 作成日時:2019年8月20日 22時