花と植物 ページ4
「A〜、アネモネの植木全部店先に出してくれないかしら?」
『はーい』
ゼラニウムの中で倒れてから早2週間。
俺は道端で倒れている所を人間の夫婦に拾われた。
ゼラニウムの中で倒れた事は夢だったらしい。
あの問いが何の意味を示していたのかはまだ定かではないが、自分から何かが欠けたのは間違いなかった。
それは後々確かめるとして。
何故人間と最初に付けたか、それは、この街には人間以外の生き物も共存しているからだ。
有り得ない話だろうが、俺は家で寝ていたはずなのに何故か元ニューヨークであった場所、今はHLという街にいる。
魑魅魍魎…とは言ってはいけない。
兎に角人ならざるもの達が人間と共存しているこのヘンテコな街に、俺は今居るのだ。
それは現実だと言える。
残念ながら夢ではない。
頬をつねっても叩いてもちゃんと痛みはある。
なので、夢でない事にもう諦めは付いていた。
しかし自分が何故こんな所に放り出されたかだ、それが気になって仕方がない。
『おばさん、ついでにガーベラも一緒に出しとく?今日は雨も降らないだろうし』
「あら気が利くわね、それじゃあお願い」
『りょーかい』
不思議な事に、ここは外国なのだが日本語が通じる。
もしかしたら自分が英語を話せる様になっているのかもしれない。
英語の成績は相中ぐらいだったのでそれはそれで助かった。
『よっ…と』
アネモネの植木を店先に置く。
目の前を行き交う車は見慣れたものもあれば、異界じみた車も通る。
または大きな生き物でさえも。
2週間過ごすうちに、もうこの異常な街の光景には慣れてしまった。
『…やっぱ夢と疑うんだなあ』
そんな事をぽつりと呟きながら店内に戻る。
次はガーベラを運ばなければ。
植木を数個纏めて置いてある箱を持ち、店先へと向かう。
が、出る前に俺の脚はぴたりと止まった。
何故かって?
有に2メートルはあろう高身長の男性が店先に居たからである。
(でか…)
そのまま固まって凝視してしまった所、視線に気付いたのか男性はこちらをみる。
前髪でその目は見えないが、あまり視線に恐れなくて済みそうだ。
『あ…えと、いらっしゃいませ』
一応店なので、それくらい声は掛けて置く。
男性はぺこりと頭を下げると、キョロキョロと店内を見回した。
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とーる(プロフ) - ああ俺っ娘大好きですうう、、ありがとうございますうう、、 (3月3日 21時) (レス) @page13 id: 2c1a894765 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 男…?女…?どっち…? でも6ページで養女って書いてあるから女…? (2020年11月7日 17時) (レス) id: 4f6aa0ae22 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず招き猫(プロフ) - リャオトンさん» 読んで頂きありがとうございます(´˘`*)主人公好きですか〜めちゃくちゃ励みになる言葉を頂きました、感謝感激雨霰!引き続き投稿頑張らせてもらいます〜! (2020年4月27日 19時) (レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
リャオトン(プロフ) - めっちゃ好きです!主人公が好きですね〜^ ^投稿頑張ってください! (2020年4月27日 1時) (レス) id: 4ccf657d3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず招き猫 | 作成日時:2019年8月20日 22時