オトモダチでいさせてくれ。

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『家庭訪問?』

美術室に隣接している生物研究室でシチロウ君とゆったり魔茶を飲んでいると、酷く疲れた様子のカルエゴ君が入ってきた。

事情を聞いてみれば理事長命令で問題児(アブノーマル)クラスの生徒たちの家庭訪問をする事になったのだとか。

『理事長命令だもんね〜…大変だとは思うけど、頑張って…‼︎』
カ「本当に…あんのアホ理事長…」
『私も力になってあげたいけれど…担任の業務だから無理に介入出来ないのよね……。ごめんね、また今度何か労いの品でも用意しておくわね』
カ「お気持ちだけで十分ですよ…」

可愛い後輩がどんよりとした雰囲気で項垂れる様子を見て、自分が変わってやれないものかと思案するが、担任でもない私に出る幕など無い。

…うーん、でもなぁ…カルエゴ君1人だけで子供達の家回るんだよなぁ…きっとすごく大変なはず…やっぱり、私にも何かできないかな?いくら理事長であっても、ちょっとやりすぎだと思うし。

『…よし、ちょっと用事が出来たから私はこれでお暇するわ』
シ「え、先輩もしかして…⁉︎」
『シチロウ君‼︎カルエゴ君のことはお願いね‼︎』

可愛い後輩の心と体の健康の為だ、ここは頼れる先輩である私が一肌脱いでやらねば‼︎

後輩の止める声を無視しつつ研究室を出ていつもよりも大股で廊下をズンズンと歩き、理事長室へと歩を進めた。


















『理事長‼︎』
サ「おー‼︎よく来たねAちゃん!どうしたんだい?」

机の上で手を組んでにっこり笑顔で出迎えてくれた理事長に机をバンッ‼︎と叩いて抗議しようとすると、後ろから誰かに抱きしめられた。

オ「私に会いに来てくれたんですか?」
『ぎゃあああああああああ！！！！！』
オ「全く…それならそうと言ってください。いつでも駆けつけますから」
『違う違う‼︎私は理事長に用があって来たの‼︎』

ジタバタと暴れてもビクともしないオペラ君に必死に抵抗するが、理事長はその様子を見ても助けようとすらしてくれない。むしろ楽しんでいる。

サ「君たちは本当に仲が良いね〜!もういっそのこと結婚しちゃいなよ〜‼︎」
オ「では今から挙式の準備をして参ります」
『はっ⁉︎ちょ、ちょちょちょちょい‼︎』

ハッとした様子で今にも理事長室から出ていきそうなオペラ君を引き止めようと彼のシャツを引っ張れば、すぐに捕まってしまった。……逆効果だった(泣)

オ「そんなに私と離れたくないんですか?可愛いですね」
『ぐああああああっ‼︎』

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