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魔界某所。
暗雲立ち込めるこの魔界で、私は1人芸術活動に打ち込んでいた。
『ふぅ…。次の展覧会までには間に合いそうね』
バビルス卒業後、絵画や彫刻などの作品をメインに芸術活動を続け、縁あって展覧会まで開けるようになった。
可愛い後輩達とも今も連絡を取り合い、偶に顔を合わせることも。
キリのいいところで休憩をとり、伸びをしながらふとある悪魔について思案する。
『オペラ君は…元気にしてるかなぁ……』
結局、私達は肉体関係はあるものの恋人という関係にはならなかった。
彼は立派な役目があるし、私は芸術活動で忙しいし。
どう考えたって恋仲になどなれない。否、ならない方が良い。
『まぁ、もう会うことも無いだろうし別にいいんだけど…』
魔界のあちこちを回って様々な者に刺激を受け、それを作品へと昇華する。そんな生活を続けていれば、自ずとオペラ君とは疎遠になっていった。
今頃楽しくやってるかなーとか、後輩組とも仲良くやってるのかなーとか、ぼんやりと考えていると、ス魔ホの通知音が鳴った。
『……はい、どうされましたか?理事長』
サ「あっ、Aちゃーん?ごめんね突然連絡して〜…」
電話の主は理事長だった。学生時代は特に関わりも無かったけれど、今の職では頭の上がらない上司である。
サ「…実はさ、今年うちの孫が入学したんだけど〜」
『あら、それはおめでとうございます!今度お屋敷に記念の絵を郵送して……ん?』
孫…?あの理事長、孫どころか、子供も居なかったよね…?
『…失礼ですが理事長、その、お孫さん以前にお子さんもいらっしゃらなかったと思うのですが…』
サ「あ〜…うん、そこは裏ルートで!!」
理事長の相変わらずのマイペースぶりにガクッ、とバランスを崩してしまった。
サ「それで〜Aちゃんにお願いがあるんだけど……」
『……承知しました、2ヶ月後にそちらに帰ります』
サ「えっ、まだ何も言ってないのに……ほんっとAちゃんはオペラと似て優秀で助かるよ〜!!」
『ん"ん"っ!!』
お願いだからその名前を出さないで欲しい。久しぶりに聞いて喉から変な声出ちゃった。
『…詳しい事はメールでお願い致します。展覧会まで時間がありませんので』
サ「うん!デビOK〜!!あ、あとオペラが……ブチッ
考え事が増えて頭痛い……。
理事長の頼み…いや、命令を断ることも出来ないし、私は"教師"だし。
展覧会が終わればあのバビルスに戻らなければならないのね……トホホ……。
To be continued…
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瀬奈 - カルエゴくんの頭文字とバラムくんの頭文字がバカになってるのウケるw (8月25日 0時) (レス) @page22 id: c6462a906b (このIDを非表示/違反報告)
ゆづき - めちゃめちゃ面白いです!これからも頑張ってください!応援しています (8月24日 10時) (レス) @page5 id: e818ab7371 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らい | 作成日時:2023年8月13日 2時