38 ページ39
Day4
『ゲホッ…ゴホッ、ゴホッ……あ"〜…』
後輩組不在から4日目。
朝起きた時からなんか体が重いし喉も痛いし頭痛い。体調不良なう。
なんとか気合いで学校には来たものの、少しでも気を緩めればぶっ倒れそう……。
やっとの思いで教室にたどり着くと,のそのそと窓際に向かう。最近はオペラ君から逃げられるようにここには座っていなかったけれど,どうしようもない倦怠感と頭痛に耐えられず,壁に寄りかかるようにして座った。
オ「おはようございます、A」
『おはよ…』
オ「今日は何だか大人しいですね?そんなAも可愛いです」
『うん…』
私を見つけるなりパタパタとしっぽを揺らしながらこちらへ来たオペラ君は、いつものように勝手に距離を詰めて太腿を撫でてきた。……かと思えば、突然動きが止まってしまった。
どうしたんだろう、と思っていると窓の外を見ていた私の頭を思いきり動かされ、おでこにオペラ君の冷たい手が触れた。
オ「……熱い」
『ひゃ…』
オ「…風邪ですか?顔色が優れないようですが」
『……体調不良なう☆』
オ「連行」
『アッ』
ダラダラと冷や汗を流しながらおどけて見せるとオペラ君になんとも言えない圧をかけられ、そのまま珍しく姫抱きで医務室へと連行されてしまった。
ピピッ
『……』
オ「いくらですか?」
『さ、39度……』
体温計に示された温度を見せれば、ずももも…と黒いオーラを放つオペラ君。これはだいぶお怒りですわ…。
オ「早急に帰宅して体を休めて下さい。迎えは頼めますか?」
『…無理そうです』
オ「ご両親は?」
『私、一人暮らししてるから…それに実家も遠いし……』
オ「……なるほど」
顎に手を当てて何か考えるような仕草をしたオペラ君は、ピーン!と何か閃いたように耳が立った。そしてそのまま耳はぴこぴこと動き出した。
オ「では、今日は私がAの家で看病しましょう」
『え"』
オ「Aには早く元気になって欲しいですからね。そうと決まれば早速帰りましょう」
『え、いいよ、オペラ君に申し訳ない…』
オ「私のことは気にせず甘えてください」
『いや、まじでいいから⁉︎家に来られるの困るんだけど⁉︎』
オ「病人は大人しくしていて下さい」
『ヴッ…』
オペラ君が家に来るのはまずい、と思いながら回らない頭で必死に説得していると、首に衝撃を受けて意識を失ってしまった。
67人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瀬奈 - カルエゴくんの頭文字とバラムくんの頭文字がバカになってるのウケるw (8月25日 0時) (レス) @page22 id: c6462a906b (このIDを非表示/違反報告)
ゆづき - めちゃめちゃ面白いです!これからも頑張ってください!応援しています (8月24日 10時) (レス) @page5 id: e818ab7371 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らい | 作成日時:2023年8月13日 2時