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『は〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜』
カ「長い。ため息が長いですよ先輩」
『うぅ……だってぇ……振られたぁぁ……』
はい。ナベリウス先生に振られました。しっっっかり振られました。もう硝子で出来た乙女のハートはボロボロよ……。
カ「……目、擦ったら腫れますよ」
『……うるさい』
カ「……というか、何ですかこれは」
『膝枕ですけど?』
談話室から出てきたところをカルエゴ君に発見され、そのまま屋上に連行されたのだが……。どうやらカルエゴ君が私の捕獲をオペラ君達に報告したみたいで、オペラ君達が来るまでの間暇だからカルエゴ君の膝に頭を乗せている。
『私の気持ちは恋心じゃなくて"憧れ"なんだって』
カ「……はぁ」
『ナベリウス先生といる時よりも、君たちといる時の方が生き生きしてるんだって』
カ「……はぁ」
『振られたぁぁぁ!!!辛いぃぃぃぃ!!!もうやだぁぁぁ!!!!!!』
カ「……先輩の好きな男って、叔父上だったんですね」
『あれ?言ってなかったっけ?』
カ「はい」
『え、なんか複雑……ごめんね…??』
口元に手を当ててそう言うと、なんとも言えない顔で睨まれた。
『……先生とカルエゴ君って似てるよね』
カ「それ二度と言わないでください」
『やべ、地雷だったか』
こうして下から見てみると、普段前髪で隠れ気味のカルエゴ君の綺麗な瞳がよく見える。
『…綺麗なバイオレット』
カ「……はぁ」
『……大好きだったのよ、あの瞳も』
カ「っ!!」
『……あ、ごめんね、カルエゴ君は違う男の子なのにね。つい重ねちゃう』
やばい、また思い出して泣きそうだ。じわっと熱くなる目頭を押さえていると、屋上に繋がる扉が開いた。
バ「先輩っ!!良かった、探してたんですよ!!」
『……あ、シチロウ君』
バ「もう!本当に心配したんだから〜!」
体を起こしてダッシュでぷりぷりと怒るシチロウ君にすり寄る。
『シヂロウぐ〜〜ん!!ごめんなざいぃぃぃ…!!!!!』
バ「えっ!?わっ!?ちょ、な、泣かないでください〜…よーしよしよしよし……」
『……うぅ』
シチロウ君から離れて、頭をよしよしと後輩組に撫でられながら泣いていると、次はバァン!!と音を立てて扉が吹き飛んだ。
オ「Aッッ!!!!!」
『ふえ……オペラく…っ……』
ダッシュでこちらに来たかと思えば、オペラ君は後輩組を跳ね除けて思い切り抱きしめてきた。
『振られたぁぁぁぁ!!うわぁぁぁぁん!!!!!』
オ「……ええ、よく頑張りましたね」
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瀬奈 - カルエゴくんの頭文字とバラムくんの頭文字がバカになってるのウケるw (8月25日 0時) (レス) @page22 id: c6462a906b (このIDを非表示/違反報告)
ゆづき - めちゃめちゃ面白いです!これからも頑張ってください!応援しています (8月24日 10時) (レス) @page5 id: e818ab7371 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らい | 作成日時:2023年8月13日 2時