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長い前髪でかくれていた深いバイオレットの瞳が、まっすぐこちらを見つめてくる。

『え、…私の為?』
ナ「そう、君の為」

ナ「君の作る作品は息を呑む程に素晴らしい。そしてアートを楽しむ君は誰よりも美しい。俺はそれをよーく知ってる」
『は、はぁ……?』
ナ「……だけど、君はいつも悲しそうな表情をしているね。誰も助けてくれない、誰も信用出来ない、といった顔だ」
『まぁ……自覚はありませんが確かに信頼してないですね……先生のことも』
ナ「ガーン!!酷いよAちゃん〜」

しくしく、とわざとらしく泣く素振りを見せるナベリウス先生にため息をつき、やはりこの先生はあたおかなんだろうな、と思いながら話を聞く。

ナ「せっかくあんなに美しい作品を誰よりも美しく描く君が、他者の悪意で心を傷つけられる必要は無い」
ナ「君は、バビルスの大切な"宝"なんだから」

少し上から注がれる優しい視線に、じんわりと何かが広がる感覚がした。

ナ「誰の目にも触れないようにってこそこそしなくていいんだよ。寧ろ君の作品は、もっと多くの悪魔(ひと)の目に触れるべきだ」
ナ「これからは自由に校内をキャンバスにしていい。俺が許可する」

『うぅっ……ひぐっ……せんせっ……っ……』

ナ「わ〜!?泣かないで〜!そんな、泣かせるつもり無かったのに……」
『……本当に、自由にしていいの?』
ナ「うん、バビルス(ここ)は君の、君だけのキャンバスだよ」
『……ありがとう、ございます』
ナ「おー!いいね、その笑顔!!」
『へ?』

私、笑ってたの?と自分の顔をペタペタ触っていると、頭にポン、と手を置かれた。

ナ「やっぱり、君は笑ってる方が可愛い!!」

重たい前髪からチラッと覗いた深いバイオレットに、私は心を奪われた。















『……っていうのが、私とナベリウス先生の運命の出会いよ!!はー!!今思い出しただけでもキュンキュンするわ〜!!』

『あとねあとね、普段前髪で目が隠れてるし、髭も伸びてるけれど、すごくイケメンなのよ!!これは私しか知らないの!いいでしょ〜!!』

大人しく私の膝上で話を聞くオペラ君は、やっぱり少し不機嫌そうだった。

オ「…………チッ」
『あ〜!!今、オペラ君舌打ちしたでしょ!!』
オ「してませんが?」
『うっわ、オペラ君の嘘つき!!』

ぷいっと顔を背けたオペラ君の頬をぷにぷにと指でつつく。

『ね〜、拗ねないでよ〜』
オ「…拗ねてません」
『……君って本当に念子みたいだね』

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瀬奈 - カルエゴくんの頭文字とバラムくんの頭文字がバカになってるのウケるw (8月25日 0時) (レス) @page22 id: c6462a906b (このIDを非表示/違反報告)
ゆづき - めちゃめちゃ面白いです!これからも頑張ってください!応援しています (8月24日 10時) (レス) @page5 id: e818ab7371 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らい | 作成日時:2023年8月13日 2時

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