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男子バレー部が普段練習しているという第二体育館に着いて早々、やはり来るんじゃなかったと後悔した。
目の前には坊主頭の少し目つきが悪い男子部員。おそらく上級生なのだろうが、私を一目見た瞬間にこちらを凝視され、しかし翔ちゃんと影山君には何故か殺意のこもった目で睨みつけている。
私の苦手な胡散臭い陽キャ､という感じの人では無さそうだが､何となく怖い。男らしさ全開の熱血系って感じがする。
ひたすら注がれる視線に耐えられずどう接したらいいのか分からない､もう帰りたい､と思っていると､ようやくその坊主さん(仮)が口を開いた。
田「…どっちだ」
『…え?』
田「…日向と影山､どっちの連れですかコラァ‼︎」
『ﾋｯ』
なんでキレてるのこの人!?
私に対して言ったことでは無いのはわかってる。だけど圧がすごい。勢いが…グアーッて感じで迫られると､どうしてもびっくりして顔が強ばる。
思わずそばに居た2人の制服の裾をキュッと掴むと、翔ちゃんも影山君も驚いたように目を開いていた。
日「…香夜?」
影「大丈夫すか…?」
管「3人ともどした〜?…って、あれ、女子?」
澤「もしかして、君も見学？」
…待って、誰、知らない｡
次から次に高身長の部員がぞろぞろと集まりだし、何故か囲まれてしまった。新しいマネージャー?違う、私そんなの興味無い｡友達の練習をちょっと見にきただけの部外者です。お願いだから私に構わないで､こっち見ないで…
東「……あれ、一年生…?」
『……あ』
後ろから低い声が聞こえたかと思えば､いかにも何かしらの罪を犯してそうな怖い顔をした大人の男性がこちらを見下ろしていた。
『……あ、ああ、あああ』
「「「「「!??!?」」」」」
日「香夜⁉︎」
影「腹でも痛いんすか⁉︎」
澤「影山、それは多分違う」
管「旭が泣かせたな、これは」
旭「俺、やっぱり怖いのかな…ごめんね?その、大丈夫…??」
逆光で顔がよく見えないけれど、兎に角怖い。目の前が段々と暗くなって、頭がぐちゃぐちゃになる。
『……や、やだ､来ないで､触らないで』
翔ちゃんと影山君の声も、他の部員さんの声も聞こえない。
色々な事がフラッシュバックして、ただただ涙が溢れる｡これじゃあ皆さんの邪魔になってしまう。だけど体が思うように動かない。どうしよう、どうしよう…。
月「チョット、皆さんそこで何してるんですか…って、」
『け、蛍ちゃん……』
「「「「「「⁉︎」」」」」」
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作者名：らい | 作成日時：2024年2月12日 19時
