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『いやああああああああああああああ!!!!!』
「「「「しゃああああああああああ!!!!!!!」」」」
負けた。いきなりじゃんけんを仕掛けたのに、負けてしまった。
黒「んじゃ、再来週の合宿はAちゃんが音駒のマネージャーよろしくね♡」
『うげぇ…』
練習前からこんなに暗い気持ちになるとは思いもしなかった。
他チームのマネージャーなんて、知らない人ばかりで清水先輩のように助けてくれる先輩も居ない。何より、音駒はトラウマを植え付けられかけたモヒカンが居る。やっていける気がしない……。
『やだやだやだやだやだ……』
黒「Aちゃん本人が負けたんだから駄々こねないの。そんなにウチのマネージャーするの嫌?」
嫌に決まっているだろう。モヒカンが居るんだぞ?昨夜私とリエーフ君を鬼の形相で追いかけてきたあのモヒカンだぞ?
……という事を大勢の前で叫ぶ訳にはいかないので、黒尾さんに耳を貸してもらって小声で理由を話してみる。
黒「!!…ぶっひゃひゃひゃwww」
『ちょっと、何で笑うんですか!!』
黒「なるほどね、確かに…ククッ……それならAちゃんも嫌か〜」
絶対真面目に聞いてないな、この人。だから関わりたくなかったんだ、胡散臭くてチャラそうだったし。それに変な髪型だし。
黒「まぁなんとかなるって。困った時は俺に言ってくれればいいから。な?」
『……分かりました』
ポンポンと軽く頭を撫でられると、なんだか少し安心してしまった。私にお兄ちゃんが居たらこんな感じなのかとぼんやり考えていると、突然目の前が真っ暗になった。
『わっ!?何!?誰!?』
月「うるさい。大人しくしてて」
『蛍ちゃん!?』
びっくりした…なんだ、蛍ちゃんか。いきなり視界が暗くなったから何が起きたのか分からなかった。
月「彼女は男が苦手なんです。あまり気安く触らないで貰えますか」
黒「そうなの?でも特に変わったところは無かったけど……もしかして嫉妬かな?」
月「…は?」
黒「そんなすぐに取って食ったりしないから大丈夫だって」
『あの…私はモヒカンが嫌なだけであって、音駒自体が嫌いな訳じゃないのですが……』
月「Aは黙ってて」
『ハイ』
目隠しされて周りの様子はよく分からないけど、なんかザワザワし始めているような気がする。修羅場だと思われてる?…いや、実際これは修羅場なのか?
黒「メガネ君さぁ〜、男ならもっとアタックしないと。守りに入ってちゃ取られちゃうよ?例えば俺とかに」
月「……」
空気、重くない?
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作者名:らい | 作成日時:2024年2月12日 19時