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雀「お説教…?…ん?…え、ん⁇」
白「私達の聞き間違い…かな?」
『……お説教です』
シーンと静まり返った空間には、スゥゥゥ…と私が息を吸う音だけが響く。本当なんです、信じてください。高校生にもなって幼馴染にお説教されてたんです。どうか笑って下さい。
雀「えっと…何で?」
『実は……マネージャーになった事、今日まで黙ってたんです。いきなり東京に新入部員が現れたら皆さん驚くかなぁ〜って思って。でも……』
白「でも?」
『蛍ちゃんはそうじゃなかったみたいです。寧ろ心配かけちゃいました。飛雄君が居たから大丈夫だったっていうのは伝えたんですけど、今度は飛雄君の事が好きなのかって聞かれて…』
本当に私は報連相のできないポンコツだな、と自分で話しながら段々気持ちが暗くなっていく。確かにあの時、蛍ちゃんだけでも連絡しとくべきだったのかもしれない。…あぁでも、一番驚かせたかったのは蛍ちゃんだし……。
白「それってどこがお説教なの?」
『え?』
雀「どう考えたって嫉妬じゃん‼︎愛されてるじゃん‼︎」
『は?』
いやいや、あれは完全に保護者のそれだったぞ。愛されているというより、監視されていると言った方が正しい。
谷「……あ、そういえばAちゃんと日向が一緒に居たの月島君も見てたよ?」
『…え』
谷「なんか元気なさそうだったけど大丈夫かな……」
「「「!?」」」
首をコテンと傾げてそう言った仁花ちゃんの言葉に、3人の女子が反応した。雪絵さん、かおりさん、意外にも清水先輩まで。
…ていうか、蛍ちゃん見てたの??
清「……Aちゃん」
『は、はい』
清「今夜は私達が満足するまで眠れないと思って!」
『……はい?』
ガシ、と私の肩を掴む清水先輩の手には力がこもっており、その美しい瞳はキラキラと輝いていた。唯一のまともな人がこれでは、もう逃げられない。
「「「月島君の事、どう思ってるの!?」」」
前のめりで3人の美女からいっぺんに迫られれば、抵抗など出来るはずもなく。渋々蛍ちゃんについて話す。
『蛍ちゃんと私はお互いの母親が学生時代からの友人らしくて、家も近いので赤ちゃんの頃から一緒に居るんです。
あ、でも1年だけ離れてて……でもその間も文通とかしてましたし、こっちに戻って来てからも小・中・高と気づいたら一緒に居たってだけです』
谷「1年だけ離れてたって…どういう事??」
『あれ、言ってなかったっけ?私、小さい頃に1年だけ東京に居たんだ』
「「「東京…??」」」
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作者名:らい | 作成日時:2024年2月12日 19時