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女子部屋に戻ると、雪絵さんとかおりさんが待ち構えていた。その後ろでは仁花ちゃんがプルプルと震えており、清水先輩はドンマイ、頑張ってと私に言っている。
白「待ってたよ〜Aちゃん…あれ?」
雀「さぁ、観念してもらうわよ!!って…」
「「……おやぁ??」」
『あ、はは……』
手をワキワキしながらこちらににじりよって来た2人の視線は明らかに私の胸へと注がれている。…やはり気づかれたか。
雀「その胸のボリュームは何かな〜?」
『知りません、分かんないです』
白「Aちゃ〜ん…ちょっと確認させてもらってもいいよね〜??」
『良くないです!ちょ、触らないでくださ……あんっ!?』
雀「うわ〜、柔らかっ」
しまった、雪絵さんに気を取られてかおりさんが後ろに回っていた事に気づかなかった。
『あの、ほんとにやめてくださ……っ、だあああああ!!!!』
『はぁ…はぁ…っ、疲れた……』
何故わざわざ東京に来てまで胸を揉みしだかれなければならないのだろうか。膝をついて息切れするまで2人に弄ばれてしまった。
『……で、私の事待ってたってどういう事ですか』
白「そんなの決まってんじゃ〜ん」
雀「こ・い・ば・な♡でしょ!!」
『………』
『いいですねぇ…』
谷「Aちゃん!?」
顔面蒼白で何を言っているんだ、といった様子で私にしがみついてきた仁花ちゃんをよそに、私は待ってましたとばかりに拍手をする。これを待ってたんだよなぁ…!!
これこそ女子の花園……女子だけの特別な空間……他人の恋バナを聞くのなんていつぶりだろう。小学生以来かも。
『恋バナなんて久しぶりですごく楽しみです!』
白「いやいや、これからする恋バナはAちゃんの事だからね?」
『……え?』
雀「誤魔化したって無駄よ!さぁ、吐いて貰うわよ〜!!」
『えっと、特に話す事は無いと思うんですけど……』
男友達すら少ない私は恋とは無縁だし、寧ろ皆さんの方が綺麗だし可愛いし、友達も多そうだからそういう類の話は私なんぞから聞かなくてもいいのでは?
雀「ズバリ!誰が好きなの!?」
『……は?』
白「烏野の1年生の事だよ。……あ、でも高身長のメガネ君が本命??」
『いや、別に彼らにそういう感情を抱いた事は無くってですね……』
白「え?でもAちゃん、こっちに着いてすぐメガネ君に引きずられてなかった?」
……見られてたのか。まぁ確かにギャラリー多かったけども。
雀「2人っきりで何してたの!?」
『……お説教です』
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作者名:らい | 作成日時:2024年2月12日 19時