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初めて会ったのに、拒絶反応が出ていない!!あのゾワッとする感覚が……無い!!!
もしかして3人目?いやいや、でもこの外国人くん(仮)の事全然知らないし……。
灰「勢いで走っちゃったけど、どこに向かえばいいのかわかんなくなっちゃった!!ごめん!!」
『いえ、全然大丈夫なんですけど……あの、降ろして貰えませんか?』
灰「あー…ごめん!ちょっと無理っぽい!!」
『え!?』
灰「後ろから猛虎さんが追いかけてきてるから!なんか逃げないとやばい気がする!!」
いきなりタメ口で喋りだしたかと思えば、降ろすのは無理だと言われた。外国人くん(仮)の言葉を聞いて彼の肩越しに後ろを見てみると、鬼の形相で追いかけてくるモヒカン(仮)がいた。
その瞬間、ゾワゾワッとした悪寒が全身を駆け抜け、一気に体温が低くなる感覚がした。
『…い、いやあああああああああああぁぁぁ!!!』
灰「うおっ!?急に暴れたら落ちちゃうでsy…」
『お願い!あのモヒカンから逃げて!!烏野の皆んなの所に連れてって!!!』
灰「…!!」
外国人くん(仮)に必死に懇願し、彼の首に腕を回してぎゅっとしがみつく。拒絶反応が出てないのが不幸中の幸いだ。
猛虎「おいリエーフゥゥゥ!!美女をお姫様抱っこして幸せですかコラァァァ!!!!」
『横文字の名前だ……』
外国人くん(仮)は見た目からしてそりゃ横文字の名前なのは自然なことなんだけど、それでもやっぱり横文字の名前ってなんかかっこよくて憧れる……。
灰「あ!俺の名前、灰羽リエーフ!!」
『えと…香夜A、です……』
灰「そっか!じゃあかぐちゃんね!!」
『り、リエーフ君…??よろしく……』
灰「うん!よろしく!!」
猛虎「なんでお前がさらっと美女の名前聞いてんだぁぁぁ!!俺だって…俺だってまだちゃんと話してないのに……」
嘘でしょ、なんでまだ追いかけてきてるの!?なんなのあのモヒカン、人間じゃないよね?猛獣ですか!?
灰「…おっ!」
『え、何…わっ!?』
何かを見つけて突然立ち止まったリエーフ君の視線の先を見てみると、真っ黒な烏野高校排球部のジャージを着た選手の背中が見えた。あの後ろ姿は……
『…っ、翔ちゃん!!』
日「うおっ!?リエーフ……と、香夜!?」
灰「日向!パス!!」
日「えっ!?」
リエーフ君に優しく降ろされ、背中を軽く押されて翔ちゃんの胸に飛び込む。驚いてアタフタする翔ちゃんの背中に腕を回すと、余計にびっくりしていた。
灰「そんじゃ日向!あとはよろしく!!」
日「え!?えぇ…どゆこと……??」
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作者名:らい | 作成日時:2024年2月12日 19時