兎にも角にも。 (ページ34)

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『改めまして､烏野高校排球部マネージャー香夜Aです｡どうぞ宜しくお願いします』

「「「「「「おぉ〜!!」」」」」」

あの後､改めて部員の皆さんに挨拶をした。
ぺこりと一礼して顔を上げると、部員の皆さんに拍手を貰う。…良かった、ちゃんと私はチームに受け入れられているようだ。

谷｢…Aちゃん!!｣
『なぁに、仁花ちゃん……うわっ!?』
谷｢マネージャーになってくれてありがとう!私、すっごく嬉しい!!｣

突然ガバりと抱きついてきた仁花ちゃんの声は涙ぐんでいて、だけどとても嬉しそうな声音だった。

『私も仁花ちゃんや清水先輩と一緒にマネージャーやれるの凄く嬉しいよ。これからよろしくね』
谷｢…!!｣

谷｢うわぁぁん!Aちゃん大好き!!一緒に頑張ろうねぇぇ!!!｣
『うん、頑張ろう!』

仁花ちゃんの顔は涙でべしょべしょなのに、花が咲くような可愛らしい笑顔はいつも通りだった。…全く､この子は本当に可愛すぎる。

清｢Aちゃん｣
『は、はい!』
清｢烏野のジャージ､凄く似合ってる｡これからよろしくね｣
『はい!!!』

今度は清水先輩にも歓迎の言葉を貰ってしまった。こんなどえれぇ美人に笑いかけて貰えて、お褒めの言葉を頂いて本当にいいのだろうか｡何か対価が必要ではないのか？腎臓一つくらい売らないとダメなのでは?

…と、そんな事を考えながら顎に手をやってうんうん唸っていると､仁花ちゃんに背中を押されてチームの輪の中心へと押し出される。なんだ?急にどうしたんだ?

澤｢それじゃあ改めて……｣

｢｢｢｢｢｢｢｢｢烏野高校排球部へ、ようこそ!!｣｣｣｣｣｣｣｣｣

じわじわと、視界が滲む。
暖かい何かが胸をいっぱいにして、ポロポロと涙が溢れる｡

｢｢｢｢｢｢｢｢｢!?｣｣｣｣｣｣｣｣｣

日「か、かか香夜⁉︎どうした⁉︎」
影「おにぎり食いますか!?」
山「何でもかんでも飯で解決すると思ってんの⁉︎」

田「おい姫‼︎大丈夫か⁉︎」
西「腹でも痛いのか⁉︎」

東「こ、こういう時ってどうしたらいいんだっけ?」
管「おおおお落ち着け皆んな!俺らまでパニクったら余計悪化するかもだろ!」
澤「まずはお前が落ち着け‼︎」

谷「美人を泣かせてしまった……切腹だ‼︎」
清「早まらないで仁花ちゃん!」

真っ青な顔をして私を心配してくれる皆さんの優しさが心地良い。くすりと笑みが溢れると、皆ホッとしたような顔をしていた。

『すみません、嬉しくて……』

『不束者ですが､よろしくお願いします‼︎』