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菅原先輩と西谷先輩との会話に花を咲かせていると､いつの間にか後ろには怪訝そうな顔をして私を見下ろすノッポが居た。
月「…香夜サン」
『…げ』
その呼び名にサッと顔から血の気が引く。まずい、蛍ちゃんの機嫌が悪い。東京に着いたばかりなのにもうお説教なのか……?
ここは一刻も早く蛍ちゃんから逃げねばと回れ右をしてダッシュする。…が、しかし足の長さが蛍ちゃんと私では圧倒的に違いすぎる為にすぐに捕まってしまった。
月「……ちょっと話があるから着いてきて」
『そんな怖い顔して"はい、分かりました"ってなる訳無いよね?』
首根っこを掴まれてズルズルと引きずられ､唖然としている菅原先輩と西谷先輩に助けを求めるものの､グッドラック!!と言われて見捨てられた。なるほど、これが弱肉強食というやつか。
日「あ、香夜ー!!」
『翔ちゃん!!』
日「……えっと、どうした?」
『私にも分かんない。……でもなんか兎に角やばい事だけは分かってるからお願い翔ちゃん助けて!!』
日「ま、任せろ!!」
体育館に入ると、知らない選手達の視線が私達に突き刺さる。丁度その中に自主練をしている翔ちゃんを見つけて助けを求めれば、真っ先にこちらへと来てくれた｡良かった、これで解放される…。
日「おいコラ月島ぁぁ!!香夜を離せコノヤロー!!」
月「…何」
日「……ナンデモアリマセン」
『翔ちゃんのバカァァァァ!!!』
翔ちゃんったら、蛍ちゃんの顔を見た途端に顔を青くして自主練に戻ってしまった。そんな事ってあるのか?
こうしている間にもどんどん奥へ奥へと連れていかれ、それに伴って蛍ちゃんの背中から感じる禍々しいオーラは強まっていく。
『あ、あの…練習に戻らなくて良いんでしょうか……』
月「今休憩時間だから」
『ア、ソウナンデスネ……』
漸く止まったかと思えば、こちらを振り向いた蛍ちゃんの眉間には皺が寄せられていた。これは相当お怒りですわぁ……。
月「僕がなんで怒ってるか分かってる?」
『…ぞ、存じ上げないです』
深い溜息の音。そしてすぐ後にだろうね､と小さく呟いたのが聞こえた。だって、分からないものは分からないのだからしょうがないじゃないか。
月「マネージャーになったこと､なんで僕に黙ってたの。てかなんで僕らとじゃなくてあの単細胞2人なんかと一緒に来たの」
『みんなの事驚かせようと思って…翔ちゃん達の補習も気になってたし､飛雄君も一緒だったし……』
月「…あのさ、もしかして王様の事好きなの?」
『え？』
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作者名：らい | 作成日時：2024年2月12日 19時
