兎にも角にも。 (ページ31)

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猛虎｢烏野め…まだこんな隠し球を持ってたのか!!!!!!!｣
西｢しかし…寝顔もこんなに綺麗なんだな……｣
菅｢うわ〜､まじでウチのジャージ着てるべ｣

……なんか、外が煩い｡

確か途中で眠くなって､冴子さんが東京に着いたら起こしてくれるって言ってたはずなんだけど……あと、なんか痛い｡誰かの視線がいっぺんに私に集まっているような、そんな感覚がする。

冴｢ほら起きな､東京着いたよ〜｣
『……ん』

ドアが開く音とともに冴子さんの声が聞こえ、まだ重たい瞼をゆっくりと開ける。……どれくらい寝ていたのだろうか､寝たのは確かお昼くらいだったのに､もう夕方だ。

『すみません冴子さん､翔ちゃんと飛雄君はもう練習に参加して……』
猛虎｢……｣
『……』

瞼を擦りながら車から降りようとすると、目の前に居たモヒカン頭の男性と視線がかち合う。いや、視線が合うというよりはガン見されているような。

『えっと､初めまして…??』
猛虎｢…しゃ、喋った!!｣
『…いや、生きてるので喋りますが』
猛虎｢うおおおおおおおおおおおお!!!!!!｣
『!?』

なんだこのモヒカンは。こちとら寝起きだぞ、もう少し静かにしてくれ。

それに何なんだこの沢山の視線は。様々な色のビブスを着た長身の男性がこちらを凝視しているではないか。あまり多くの人間にじっと凝視されるのは好きでは無い。寧ろ不快だ。

誰か私が知る人物が居ないかと辺りを見渡してみると､菅原先輩と西谷先輩を見つけた。車から降りて少し小走りで彼らの元へと駆け寄ると、2人は少し驚いたように目を見開いた後､優しく笑いかけてくれた。

『先輩!』
西｢よく寝たか!!｣
『ぐっすりです!!』

菅｢香夜ちゃんマネージャーになったんだって?｣
『はい‼︎これからよろしくお願いします‼︎』

2人にぺこりと一礼した後、顔を上げればにっこりと笑ってこちらこそよろしく、と暖かい言葉をかけられる。やはり自分が受け入れられているという感覚はたまらなく嬉しいものだ。

西「マネージャーになったんなら、何で俺らと一緒にバスで来なかったんだ?」
『皆さんを驚かせたかったっていうのもあるんですけど、翔ちゃんと飛雄君が心配で』
菅「あ〜､あの2人は心配になるよなぁ〜…」

『そういえば練習は大丈夫なんですか?外に人が集まってたからどうしたのかと思って……』
西「みんな姫を見に来てたんだぞ!!」
『皆さんが?あと西谷先輩､姫ってあだ名やめて下さ…「チョット」……あ』