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?「シツレイシマース!!」
とある日の休み時間。窓の外を眺めながら今日は帰ったら何をしようか、とぼんやり考えていた時だった。
突然勢いよく教室の扉が開いて、同時に元気いっぱいの大声が聞こえた。他クラスの男子か……キラキラ系の男子は苦手だ。
窓に向けていた視線をその声の主へと移せば､これまた元気いっぱい､といった様子の小柄な男の子とすごく怖い顔をした男の子がズカズカと教室へと入って来ていた。
どうやら彼らは私の前の席に座る谷地さんに用事があったらしく、私には関係の無い話だと安堵して再び窓へと視線を移したその時だった。
?「月島っつーメガネノッポに教えて貰ってんだけど……」
『ﾝｸﾞｯﾌwww』
「「「!?」」」
『……あ、ごめんなさい。気にしないで…ww』
突然笑いだした私に気づいた3人がぐりん！と首を回してこちらを見る。両手で顔を抑え、込み上げる笑いに肩が震えるのを我慢するが､どうにもおさまらない。
『メガネノッポって……んふ、分かりやすすぎでしょ…ふふっ…』
いよいよ突っ伏してバシバシと机を叩くようになると、元気いっぱいな方の男の子が私の肩を叩いて声をかけてきた。
?「もしかして月島のこと知ってんの!?」
『…うん、まぁね』
?「そうなんだ!俺､同じバレー部に所属してる日向翔陽!」
日向翔陽くん。元気溌剌､猪突猛進､といった様子の彼にピッタリの名前だ。裏表も無さそうで、純粋なタイプ。……うん、大丈夫そう。
『……香夜』
日「かぐや…?」
漸く落ち着いてきたので､こちらも名乗る。"かぐや"って聞いたら､そりゃ初めはそんな反応するか。竹取物語のかぐや姫とか有名だし。
『そう、香夜。私の名前、香夜Aって言うの』
日「…っ、」
机に突っ伏していた顔をゆっくりと上げてもう一度自分の名を口にすると､先程まで沢山喋っていた日向翔陽くんとやらが黙りこくってしまった。
『…?､おーい』
日「…!あ、あー､うん！香夜な!!よろしく!!」
少し慌てた様子が鳥の雛のようでなんだか可愛い。ピシッと背筋を伸ばした彼の後ろでは、怖い顔をした男の子も同じように背筋を伸ばしていた。
『えーっと、そちらは…?』
日「これ影山!!俺と同じバレー部!!」
『へー､そうなんだ。よろしくね､影山君』
影「……うす」
……人見知りなのかな。よく分かんないけど。
日「…あ、そうだ!谷地さんも香夜も進学クラスだろ?頼む､勉強教えてくれ!!」
『…へ？』
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作者名：らい | 作成日時：2024年2月12日 19時
