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Q.男性恐怖症を克服したら、マネージャーをやってくれるか｡
A.それが出来るのなら考えなくもない｡
これが私の答えである｡
翔ちゃんのように純粋な人でも、手を握るので精一杯｡先日抱きつかれた時は変な汗をかいてしまった。本人には申し訳ないが､拒否反応が出ていたのは事実｡
影｢この前､日向が香夜さんに抱きついてた時…香夜さん､手震えてましたよね｣
『…え』
影｢日向は気づいてなかったみたいですけど、香夜さんが震えてる手を抑えてるの見えちゃって｣
……バレてたのか｡
先日､翔ちゃんに抱きつかれた時は正直焦った。初めて会った時に手を握られても大丈夫だったのに、急に抱きつかれた時は駄目だった。
震える手を抑えて会話をするなんて、嘘をついているみたいで嫌だった。翔ちゃんはあの時私を襲ったクラスメイトとは違うのに､体は拒否をする。なんて酷い奴なんだろう､私は｡
『……私も､出来るなら治したいよ｡いつまでも蛍ちゃんに頼りきるのも悪いし』
影｢月島は大丈夫なんですか？｣
『うん、蛍ちゃんは何されても大丈夫｡だって……』
今でもお互いの家に泊まることあるし､普通に一緒にお風呂とか入ってたし｡今更お互い裸を見られてもどうってことない｡
……というのは､言わない方がいいか。蛍ちゃんも一応思春期の男子だし。
『…昔から一緒にいるからね』
影｢そういえば幼馴染って言ってましたもんね｣
『うん』
影｢じゃあ山口は?｣
『山口君は…他の人よりは多少は大丈夫だと思う。でも山口君は気を遣って出来るだけ私に触らないようにしてる』
影｢なるほど…｣
しばらく顎に手をやってうんうん唸っている影山君を眺めながら、どうしてここまでしてくれるのだろうと疑問を抱く。
そもそも、どうして私にマネージャーをして欲しいのだろうか。私なんて、ただの足手まといでしかないのに。
『…どうして､ここまでしてくれるの？』
影｢え？｣
『男の子が苦手な私が男子バレー部のマネージャーなんて、ただの足手まといになるだけじゃん?』
少しだけ嫌な言い方をした。優しい影山君でも少しイラッとしたかもしれない。
影｢…?､だって香夜さん､俺らの事絶対見捨てないですよね｣
『へ？』
影｢期末テストの時も勉強分からない俺達にどれだけ時間かかっても分かるまで教えてくれましたし｡部活も多分本当は嫌だったのに見に来てくれましたし｣
影｢自分の事を見捨てないで信じてくれる人が居るって､すげぇ心強いんです｣
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作者名：らい | 作成日時：2024年2月12日 19時
