逃がしてください暗黒大帝様【2】

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『プルソン君､凄くびっくりしてたわね｡初めからちゃんと紹介してくれれば良かったのに』
カ｢特訓には関係ないだろう｣
『……カルエゴ君ったら本当に陰湿よね』

プルソン君が帰った後､2人きりになった所で隣で偉そうに腕組みして立っているカルエゴ君に視線を移すと、陰湿な笑みを浮かべた彼に鼻で笑われた。

『別に隠さなくてもいいのに｡用務員のおじ様から聞いたわ､独身って言ってるらしいわね。…どうして?』
カ｢…少し､事情があってな｣

事情って何よ｡私が自慢できるような妻じゃないから?それとも､私は妾って事??え、でもちゃんと手続きはしてるはずだし……もしかして浮気!?

『浮気だったら背中から刺すわよ』
カ｢物騒な事を言うな｡そして俺は浮気などしない｡絶対にな｣
『ふ〜ん…』

カルエゴ君の事情なんて知らないし、カルエゴ君が独身だと嘘をつく事で他の綺麗な女性に言い寄られるから私の事は公表してくれてもいいのにとは思う｡だけどまぁ浮気していないなら今日の所は許してあげなくもない。

『君が期待する問題児(アブノーマル)クラスの子達って一体どんなバケモノなのかと思ったのだけれど……確かに面白いわね｡鍛えがいがあるわ』
カ「苦労が絶えん奴らばかりだが」
『ふふ、いいじゃない。優秀な君が退屈しなくて良いと思うわ』
カ「…退屈どころか、毎日喧しくて疲れる」

毎日カルエゴ君の口からはサリバン理事長からのパワハラや問題児(アブノーマル)クラスの愚痴ばかりだけど、私はそれを聞くのがとても面白くて、楽しみで。

なんでこんなに面倒なバビルスで番犬をしているのだろうと君は嘆くけれど､カルエゴ君ったら自分で気づいていないのよね、彼らの話をする時､割と良い顔してるってことに｡

『普段は遠くから見守ってるだけだったけど…やっぱり直接関わってみないとわからないものね｡問題児(アブノーマル)クラス、ちょっと興味出てきたかも』

カ「…恐らく､お前もそのうちプルソンだけでなく、奴ら全員に関わっていくことになるかもな」
『それは楽しみね〜』

くすくすと笑いながら腕時計を確認すれば、そろそろ6時｡私は帰らなければならない時間だ。

『それじゃあ私はお先に。ちゃんと美味しいご飯作って待ってるから、カルエゴ君も寄り道しないで真っ直ぐ帰ってきてよね』
カ「……わかっている｡お前こそ認識阻害グラスを忘れるなよ」
『はいはい､君は本当に厳しいんだから』

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