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『それで……どうして婚約破棄なんかしたの?私に飽きたから?それともご両親に言われたの?ねぇねぇねぇ……』
カ「それには理由があってだな…あの、わかった、分かったから揺さぶるな!!!!」

カルエゴ君の胸ぐらを掴んで前後に揺らしながら問い詰めていると、手首を掴まれて止められた。…仕方ない、大人しく話を聞いてやるか。

カ「あのな……そもそも、お前が婚約破棄したがってただろう」
『そうね。誰かに私の生き様を決められるくらいなら破門になってでも自分で自由に生きていくし、殺されるくらいなら殺す精神で生きているからね』
カ「安易に死ぬやら殺すやら言うな。お前は一応名門貴族の令嬢だぞ」

確かに、カルエゴ君が言う通り私はずっと婚約破棄を望んできた。それは確約された未来に愛なんて存在しないし、子を産まなければならないと言う重たい責務があったからだ。

カ「俺はお前が思っているよりお前の事を好いている。…それもだいぶ前からな。だからお前を他の奴に取られまいと婚約者という縛りでお前を独占しようとしたんだ」
『…カルエゴ君って意外と独占欲強いのね』

気に入った玩具を取られたくないな、くらいの独占欲だと思っていたのに、カルエゴ君の場合は気に入った玩具を取るような者は噛み千切るくらいの勢いだ。

『えっと…つまり、カルエゴ君は私と一度婚約を破棄する事で、何のしがらみもない状態の私とその…ちゃんとした交際をしたかった……てこと⁇』
カ「……そうだ」

じわり、と胸の奥に暖かい何かが広がる。……なんだ、そういうことだったのか。

私ばかり勝手に勘違いして、結果的に自分で自分の首を絞めていた。なんて恥ずかしいのだろうか。…でも、すごく嬉しい。

私が魔界で最も大好きな悪魔は長年私に飽きることなくずっと私だけを想っていた。これ以上に嬉しいことなどあるのだろうか。幸せなことなどあるのだろうか。

『……カルエゴ君が悪いんだからね』
カ「?、この俺が何をした?」

キョトンとした顔で首を傾げるカルエゴ君の両頬を私の手で挟み、こちらへと引き寄せる。少し狼狽えているのすら愛おしい、だなんて言ったらカルエゴ君は怒るだろうか。

『この私を惚れさせたんだから…もう一生、逃さないんだからね』
カ「……何を言っとるんだお前は?」

『…え?』
カ「こちらとてお前を逃す気はないが。お前こそ覚悟しておけ、絶対逃してやらんからな」

ほんっと、いつも偉そうでムカつく。…だけど、

『上等よ!』
カ「…フン」

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らい(プロフ) - あまねさん» 素敵なコメントありがとうございます!読者の皆様がカルエゴ先生のお嫁さんですので、楽しんで頂けたら幸いです(ー̀֊ー́˶ჱ̒ (5月5日 23時) (レス) id: 686171bb39 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - およめさんんんんんんんんんかわあいいい (5月4日 16時) (レス) @page36 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
らい(プロフ) - 悠鱸さん» ありがとうございます!!最近は忙しくてサイト覗けていなかったのですが、こちらでもコメント下さって凄く嬉しいです!是非今後ともよろしくお願い致します(^_ _^) (1月21日 17時) (レス) id: 686171bb39 (このIDを非表示/違反報告)
悠鱸(プロフ) - やっぱりスゥッとお話が入ってきますね!?それほど語彙力があるというか、長さがちょうどいいと言いますか、吸収しやすいと言いますか…。あの…はい、好きです、。めちゃ好きです…好き以外の言葉が出てきません、それぐらい好きです、笑 完結するまで見まくります (1月21日 10時) (レス) @page21 id: 1e852fcc4a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らい | 作成日時:2023年12月13日 12時

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