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カ｢…なぁ｣
『…っ、』
まっっずいわ、どうしよう…。
音楽祭前日に、こんな甘ったるくて緩みきった空気は大変宜しくない。
……というのは建前で、単純に私の心臓が持たない。心臓バックバクで喉から出そうなんだよ!!
カ｢やはりお前は俺の事が嫌いなのか…?｣
『…そ、そんなわけ』
カ｢じゃあ何故逃げる?｣
『…っ、それは…』
…言葉が見つからない。好きだから恥ずかしくって避けちゃうだなんて、今は言っちゃいけない気がするから。
『……今は、言えない』
カ｢…そうか｣
『で、でもっ!!』
今、この誤解だけは解かなければと後ろを振り返り、カルエゴ君の服を掴んでじっとバイオレットの瞳を見つめて言葉を紡ぐ。
『君の事は嫌いじゃない…っ、これは、本当だから!!』
カ｢…お、おう｣
『音楽祭が終わってからのお楽しみ、だから…えと……あ！』
そういえば、カルエゴ君に持ち掛けられた賭けは、私側からは何も賭けていない。…だったら。
『じゃ、じゃあ!!賭けをしましょう!!』
カ｢…賭け?｣
『そう!賭け!!』
『音楽祭で優勝したら…君が知りたいこと、なんでも答えてあげる!!』
カ｢…それは、本当か?｣
『ええ、本当よ』
きっともう何も言わなくても伝わっているかもしれない。けれど、答えを出すのは音楽祭が終わってからの…いや、優勝するまでのお楽しみだ。
『そうね、例えば私の好きな映画とか音楽とか…あ、あとスリーサイズとか!!』
カ｢…それは死んでも聞かん｣
『きゃー!カルエゴ君のえっち〜!!』
カ｢…あ"?｣
『ふふっ、冗談よ』
いつの間にか私の腰にカルエゴ君の手が回っていて、カルエゴ君の膝の上に乗るような形できゃっきゃとカルエゴ君をいじっては笑う。
いつも通りの他愛もない会話が久しぶりな気がして、どうしようもなく嬉しい。
『音楽祭…絶対優勝しなきゃ』
カ｢ああ…そうだな｣
『今日はすごく上手く出来たし…本番もきっと大丈夫よね』
カ｢…何かあれば俺がフォローする｣
『代表様は頼りになるわね〜』
何だか安心しきってしまって、カルエゴ君の肩に頭を寄りかからせると、少しだけカルエゴ君の肩がピクっと跳ねたのは気付かないふりをしておいた。
明日は音楽祭本番当日｡クラスのみんなの為にも、代表者としてクラスを率いてくれたカルエゴ君の為にも、……そして、私の為にも。明日は絶対に優勝しなければならない｡
勝利を逃せば､私にはまた現実から逃げ続ける日々が待っている。もう逃げない｡逃げてはいけなのだ。
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らい(プロフ) - あまねさん» 素敵なコメントありがとうございます！読者の皆様がカルエゴ先生のお嫁さんですので､楽しんで頂けたら幸いです(ｰ̀֊ｰ́˶ჱ̒ (5月5日 23時) (
レス) id: 686171bb39 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - およめさんんんんんんんんんかわあいいい (5月4日 16時) (レス) @page36 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
らい(プロフ) - 悠鱸さん» ありがとうございます!!最近は忙しくてサイト覗けていなかったのですが､こちらでもコメント下さって凄く嬉しいです!是非今後ともよろしくお願い致します(^_ _^） (1月21日 17時) (レス) id: 686171bb39 (このIDを非表示/違反報告)
悠鱸(プロフ) - やっぱりスゥッとお話が入ってきますね！？それほど語彙力があるというか、長さがちょうどいいと言いますか、吸収しやすいと言いますか…。あの…はい、好きです、。めちゃ好きです…好き以外の言葉が出てきません、それぐらい好きです、笑 完結するまで見まくります (1月21日 10時) (レス) @page21 id: 1e852fcc4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らい | 作成日時：2023年12月13日 12時
