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〜♪
『…!!カルエゴ君!できた!!やっとちゃんと上手く弾けたわ!!』
カ「ああ…そうだな、うん、分かった…分かったからあまり肩を叩くな!!」
とうとう音楽祭前日となった今日、漸く納得出来る演奏ができた。嬉しくてカルエゴ君の肩をバシバシと叩いてしまった。
カ「今までも十分過ぎるほどの出来だったが…お前が納得出来たのならいいんじゃないか」
『うん!これで本番も問題無いし、絶対優勝できるわ!!』
カ「…そうだな」
ルンルンで鍵盤を弾き、クラスのみんなも合わせてくれて楽しくなってきたところではたと気づいた。
『あ"ーー!!』
ダーン!!と強く鍵盤を叩いてしまった為、演奏も途中で中止された。なんだなんだと心配する視線が私に突き刺さる。
……そうだった、優勝したらあれだ…カルエゴ君と、こ、交際することになっているんだった…!!
『…あの、その…わ、私はみんなと一緒に優勝したくってだね?…か、カルエゴ君とは何の関係も無いですからね!?』
カ「…フッ」
わーーーーーーーー(白目)
『…ちょっと、外の空気吸ってくる』
今はただ、逃げ出すことしか出来なかった。
後ろから制止する声が聞こえたけれど、そんなの構う余裕すらないほど動揺が隠せなかったから。
キョロキョロと辺りを見回して、貴族令嬢とは思えないくらい思い切り大の字になって寝転んだ。
『……死…恥ずか死するわ…!!』
カ「お前はいつも死ぬことばかり考えるよな」
『仕方ないでしょ、考え事が多いんだか……ぎゃあああああ!?』
出た!!出たよ悩みの種が!!
せっかく逃げてきたのに、これじゃあ意味が無いじゃない!!
すぐに起き上がってダッシュで駆け出したが、足がもつれて少しよろけてしまった。いや、このまま羽を出して飛べば……
『わっ!?』
カ「お前…っ、早まるな!!」
『え?…きゃっ!?』
羽を出して飛び立つ前にカルエゴ君の腕が私の腰に回り、バランスが崩れて後ろに倒れ込んでしまった。
『あっぶな…』
カ「この馬鹿!!今飛び降りようとしてただろ!!」
違います、飛び立とうとしてました。
カ「…何故、そんなに俺から逃げる?」
『…べっつにぃ』
…あ、まずい、このままだとブレスレットが反応しちゃう…!!
ぎゅっと目を瞑っても慣れたあの痛みは来なくて、代わりに右手首を撫でる感触が伝わってきた。
何が何だか分からないままでいると、後ろから抱きしめられる力が強くなって、まるで捕縛されたかのように身動きが取れなかった。
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らい(プロフ) - あまねさん» 素敵なコメントありがとうございます!読者の皆様がカルエゴ先生のお嫁さんですので、楽しんで頂けたら幸いです(ー̀֊ー́˶ჱ̒ (5月5日 23時) (レス) id: 686171bb39 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - およめさんんんんんんんんんかわあいいい (5月4日 16時) (レス) @page36 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
らい(プロフ) - 悠鱸さん» ありがとうございます!!最近は忙しくてサイト覗けていなかったのですが、こちらでもコメント下さって凄く嬉しいです!是非今後ともよろしくお願い致します(^_ _^) (1月21日 17時) (レス) id: 686171bb39 (このIDを非表示/違反報告)
悠鱸(プロフ) - やっぱりスゥッとお話が入ってきますね!?それほど語彙力があるというか、長さがちょうどいいと言いますか、吸収しやすいと言いますか…。あの…はい、好きです、。めちゃ好きです…好き以外の言葉が出てきません、それぐらい好きです、笑 完結するまで見まくります (1月21日 10時) (レス) @page21 id: 1e852fcc4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らい | 作成日時:2023年12月13日 12時