50 ページ3
フカフカのベッドにボフンっと飛び込み、大の字になって寝転ぶ｡
ジタバタと足を動かしては、枕をボスボスと叩いて八つ当たりしながら唸る。
『うぅ……あ"〜〜〜〜〜！！！！！！』
何なのよ何なのよ⁉︎
あんっなに薔薇なんか撒き散らしちゃって!キラキラを撒き散らしちゃって!カルエゴ君の癖に!!
カルエゴ君は顔もいいし背も高いし、何より、誰よりも優しい。…まずい、このままじゃ簡単に惚れちゃうわ。
私がカルエゴ君に惚れてしまえば、全てナベリウス家の思い通り。ティターニア家の女として、ナベリウス家の悪魔として、重い責務を全うしなければならなくなる。
『カルエゴ君の欠点といえばむっつりなところでしょ、あと頑固なところと…あと…あれ……ええっと……』
…駄目だ、必死にカルエゴ君の欠点を探してみてもむっつりな所と頑固な所くらいしか思い浮かばない。
なんてったって彼は名門ナベリウス家のお坊ちゃんで、お金持ちで、ルックスも良くって、魔力もトップクラス…。
『超優良物件じゃない…』
ガックリと肩を落として項垂れる。将来が安泰すぎる……。何も不自由が無いじゃない……。
恋愛は好きになった方が負けとよく言うけれど、私の場合、ありがたくもカルエゴ君に好意を寄せてもらってはいるがカルエゴ君が私に負けたという感じでもない。だって私の勝ちなら既に婚約破棄しちゃってるもん。
カルエゴ君が私を好いていようがいまいが、私がカルエゴ君に惚れちゃったら負けなのだ。自由とはおさらばである。
『そんなの嫌!私は私が選んだ殿方と一生を添い遂げるんだから!!』
だが、しばらくは他の殿方と恋に落ちていっその事駆け落ちでもしようかと考えて無闇に男の子と出会うのは今回はやめとこう。サバトがトラウマだし。……ならば。
『よし!カルエゴ君を素敵な女の子とくっつけてあげれば良いんだわ!!』
そうと決まれば明日からでもバビルスのかわい子ちゃんをくまなく探し出して、カルエゴ君と運命的な出会い方をさせなければ。
ベッドの上で立ち上がり、右手首を挙げる。キラキラとバイオレットの宝石が輝くブレスレットを見つめながら、新しいプランに胸を踊らせていた。
『あとは……』
近いうちに家族には内緒で会う悪魔の事を考える。私が自由を手に入れられる"切り札"に会えるのは難しいことだけど、漸く先方との都合が合ったのだから、この機会だけは逃せまい。
『早く会いたいなぁ…』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 146人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らい(プロフ) - あまねさん» 素敵なコメントありがとうございます！読者の皆様がカルエゴ先生のお嫁さんですので､楽しんで頂けたら幸いです(ｰ̀֊ｰ́˶ჱ̒ (5月5日 23時) (
レス) id: 686171bb39 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - およめさんんんんんんんんんかわあいいい (5月4日 16時) (レス) @page36 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
らい(プロフ) - 悠鱸さん» ありがとうございます!!最近は忙しくてサイト覗けていなかったのですが､こちらでもコメント下さって凄く嬉しいです!是非今後ともよろしくお願い致します(^_ _^） (1月21日 17時) (レス) id: 686171bb39 (このIDを非表示/違反報告)
悠鱸(プロフ) - やっぱりスゥッとお話が入ってきますね！？それほど語彙力があるというか、長さがちょうどいいと言いますか、吸収しやすいと言いますか…。あの…はい、好きです、。めちゃ好きです…好き以外の言葉が出てきません、それぐらい好きです、笑 完結するまで見まくります (1月21日 10時) (レス) @page21 id: 1e852fcc4a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らい | 作成日時：2023年12月13日 12時
