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バチィィッ
『痛いって言ってるでしょ!?』
カ「…ふっ」
『何笑ってんの捻るわよ!?』
痺れるような痛みが手首に走り、少し涙目になりながらも目の前で笑いを堪えているカルエゴ君を睨む。
『カルエゴ君の意地悪!悪魔!むっつり!!』
カ「むっつりは関係ないだろうが……だが」
『?』
手首を擦りながら痕が残ってないかな、と考えていると、いつの間に距離を詰められたのか、カルエゴ君に右手首をとられてまじまじと見つめられた。
『…な、何よ』
カ「…やはりお前はそっちの方が良いな」
つるつるとした質感のブレスレットに触れられながらそんな照れ臭い台詞を言われ、なんだか恥ずかしくなってくる。
………にしても長くないか!?
かれこれ6分くらい触られてるんじゃないかしら!?そんなにこのブレスレットの感触が気に入ったの?私も気に入ってるけどね!?
カ「…綺麗だな」
『そ、そうね!私もこのブレスレット結構気に入って…』
カ「いや、お前の事だが」
『ホォッ!?』
いやいやいやいや、ちょいとやめて下さいよお兄さん、恋愛経験値0の女にそんな甘ったるい台詞言っちゃあダメですよ!?
ぶわっと顔が熱くなる感覚がして、カルエゴ君とバッチリと合っていた視線を逸らす。
『…っ、やめてよ…そういうの慣れてないから』
カ「これくらい慣れておけ」
『…あのねぇ、君は顔もお家柄も良いんだし、極めつけにはそんなロマンチックな台詞、簡単に女の子が惚れちゃうわよ?』
軽くため息をつきながら片手で頭を抑える。
無自覚って本当に怖いわ……。自分がよーくおモテになることを理解して欲しい。
カ「…お前は嫌か?」
『…別に嫌、じゃないけど……』
カ「なら良いだろう」
『耐性が無いの!!こんなにチョロいんじゃ、殿方探しもまともに出来なくなるじゃない…』
カ「こちらとしては好都合だが?」
……そうだった、私この悪魔に好かれてるんだった。
『…と、兎に角!私は耐性がないから上手く対応ができないだけであって、べ、べべべ別に君に惚れたとかそんなんじゃないからね!?勘違いしないでよね!?』
動揺を隠せないままブンブンと右手を振り払おうと動かすが、全く敵わない。
握られたままの右手はカルエゴ君の口元へと寄せられ、ちゅ、と軽く音を立てて手の甲に口付けられた。
不敵に笑うカルエゴ君はなんだか違う男の子のようで、2つ並んだ月から発される光に照らされて綺麗なバイオレットの瞳と視線が合った。
カ「…まぁ、時間の問題だな」
『は!?』
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らい(プロフ) - あまねさん» 素敵なコメントありがとうございます!読者の皆様がカルエゴ先生のお嫁さんですので、楽しんで頂けたら幸いです(ー̀֊ー́˶ჱ̒ (5月5日 23時) (レス) id: 686171bb39 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - およめさんんんんんんんんんかわあいいい (5月4日 16時) (レス) @page36 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
らい(プロフ) - 悠鱸さん» ありがとうございます!!最近は忙しくてサイト覗けていなかったのですが、こちらでもコメント下さって凄く嬉しいです!是非今後ともよろしくお願い致します(^_ _^) (1月21日 17時) (レス) id: 686171bb39 (このIDを非表示/違反報告)
悠鱸(プロフ) - やっぱりスゥッとお話が入ってきますね!?それほど語彙力があるというか、長さがちょうどいいと言いますか、吸収しやすいと言いますか…。あの…はい、好きです、。めちゃ好きです…好き以外の言葉が出てきません、それぐらい好きです、笑 完結するまで見まくります (1月21日 10時) (レス) @page21 id: 1e852fcc4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らい | 作成日時:2023年12月13日 12時