被食者にだけはなりたくない。

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『えっと…これはどういう事ですか､若頭(ボス)?』
イ「あはは…」

カルエゴさんと一緒に仕事から戻って来たら､何故か目の前には見たことも無い美少女が笑顔ではしゃいでいた。…なんか増えてない?

ク「私クララ!!おねーさんもバビルの人??一緒に遊ぼ!!ねぇねぇ!!」
『……ジブンは男です』
ク「えー!?嘘だ！だってだって､食べちゃいたいくらい可愛いんだもん!!」
『……ｸﾞｯ』

なんなんだこの子。無節操でマイペースで物を壊しそうな印象だ。金庫番補佐としての勘が警告を出している気がする。請求書が頭の中でチラついているような気がする……でも､

『貴女の花が咲くような笑顔の方が可愛いですよ、お嬢さん』
ク「きゃーー!!クララ可愛い?すごく嬉しい!!」

……すごく可愛い!!!!

うわ〜､めっちゃ可愛いんだけど。野郎ばかりのバビルにもついに春が来たのか……妹ができたみたいで可愛いなぁ…決めた、これからは王子様キャラでいこう。…それにしても､養わせてくれないかなぁ……。

高まる気持ちを抑えつつ、隣のカルエゴさんに視線を移すと真っ青な顔をして頭を抱えていた。…まぁ、気持ちは分からなくもないけれど。

カ「若頭(ボス)､ご説明頂けますか?」
イ「はい…」
『私も同席しまs…「おい」ｸﾞｪｯ』

後ろからニュッと伸びてきた腕が、首に回ってきて私の動きを止めた。前に進もうとすれば後ろに引き寄せられるので自然と首を絞められる形になる。こんな事する奴、1人しかいない｡

『オペラ…っ‼︎』
オ「お前はこっち。若頭(ボス)の説明はカルエゴ君に任せとけばいいだろ」
『ぐっ…ぐるじい……』
オ「暴れるから苦しいんだ。大人しくしとけ」
『い…いや、だ……ひゃん⁉︎』

こいつ…!乙女の尻を触りやがった…!!ほんっとありえない。私なら何してもいいってか？

…というか、待てよ？もしやオペラが私に好意を抱いているのは私が女顔だったからであって、尚且つ最近正体がバレて私が女だということを知ったからセクハラが始まった。という事は_________

『…ﾊｯ!!』
オ｢…どうした？｣

そうだ、この変態は野郎ばかりのバビルに唯一己の欲を吐き出せるから私を気に入っていたのだ。つまり、クララさんという可愛い乙女が増えた今、クララさんまでがその標的になるかもしれない。

『…守らなきゃ』
オ｢は？｣

この変態から､クララさんを守らなきゃ!!!

『クララさんに近づくなよ､変態』
オ｢…あ"?｣

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