被食者にだけはなりたくない。

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うーむ、これはどうしたらいいものか……。

腰を掴まれて体が浮いたので解放してくれたのかと思えば、膝の上に跨るようにして座らされ、腰にしっかり腕を回されている。

これが所謂対面座位というやつか…と思いながら、手持ち無沙汰で暇なので子供をあやすかのようにオペラの頭を撫でていることかれこれ10分。……流石に長い。

『嫌いって言ったのはその…君がなかなかセクハラやめてくれないから咄嗟に出ちゃった言葉で……うん、それは私が悪かった。ごめん』
オ｢……い、…な｣
『ん？』

なんて言ったのか分からなかったのでもう一度聞き返すと、頭を撫でていた手を取られてオペラの頬に添えられた。

オ｢…もう絶対、嫌いなんて言うな｣
『……わかったよ。約束する』

小指を差し出して指切りげんまんすれば、心做しかオペラの機嫌が良くなったような気がした。

オ｢もし約束破ったらぶち犯す｣
『物騒なこと言わないでくれるかな？』

『はぁ……ファーストキスは好きな人とするって決めてたのに』
オ｢は？好きな人だろ｣
『は？』

嫌いじゃないけど恋愛対象じゃないと言ったらなんだか余計に襲われそうな気がしたので黙っておいた。

オ｢…お前、今のファーストキスだったのか?｣
『……まぁ、私はお姫様らしいので?』
オ｢つまりしょじy『それ以上言ったら捻る』

私だって好きで恋愛していないのでは無い。普通の女の子として普通の恋愛はしてみたいけれど、住んでいる世界が違いすぎるのだから仕方がないのだ。

『……ちなみに初恋はカルエゴさんね』
オ｢…は？｣
『まぁ今は全然違うけどね〜』

今となっては尊敬できる上司であり、父親のような存在だが。俗世間で言うところの｢将来はお父さんのお嫁さんになる〜｣である。…あれ、違ったっけ？

オペラの顔を覗いてみれば心底不服そうな顔をしており、苦虫を噛み潰したような、そんな顔をしていた。

オ「…殺す｣
『そんな事したらもう君と飲みに行かないからね』

珍しくしゅん…としたオペラに笑いが込み上げて、きゃっきゃと笑うと舌打ちされた。

オ｢……眠い｣
『ここで寝てていいよ？』
オ｢……じゃあ｣

眠そうに瞼を擦るオペラに膝から降ろしてもらったので毛布を持ってこようと動いたら手首を掴まれ、そのままソファに座らされて私の膝にオペラの頭が置かれた。

オ｢…しばらく寝る｣
『……ま、いっか』

急ぎでやらなきゃいけない仕事は全て終わらせているし、私もここ最近は寝不足だったから寝るか。

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