被食者にだけはなりたくない。

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私、なんか悪いことしたっけ?

先ほど首領(ドン)に呼ばれ、私だけかと思ったらオペラまで呼ばれ、しかしイルマ君は現在自分の部屋でくつろいでいる。…嫌がらせか?

私の天使がいなければオペラに何をされるかわからないというのに、一体首領(ドン)はどういうつもりなのだろうか。

そんな首領(ドン)だが、密室に謎すぎるメンバーが集っているというわたしにとって地獄のようなこの状況で、にこにことお花を散らして笑っている。

『えっと… 首領(ドン)、どうされましたか?』
サ「もー‼︎わしのことは"おじいちゃん"って呼んでも良いんだよ〜?」
『いえ、遠慮しておきます』
サ「ひどい‼︎ねぇ今の聞いた⁉︎」

ブワッという効果音までつけて泣き出した首領(ドン)にドン引きしつつオペラの方を向けば、あまり状況を理解できていないようだった。…まぁ、無理もないよな。

オ「お前…」
『あぁ、ジブンも…いや、私も一応首領(ドン)の養子なんだ。つまり、イルマ君の義姉でもあるんだよね〜』

今考えれば何故オペラも呼び出したのかも理解できる。私が女であることを知っているのは首領(ドン)とカルエゴさん、…そしてオペラだ。どうせカルエゴさんが首領(ドン)に報告したのだろう｡そうでなければきっとこうして2人揃って呼び出されることはなかっただろうし。

サ「Aちゃんもわしの大事な孫娘なんだけど、わしがでろでろに甘やかしてあげられるのに金庫番として働かせてくれって聞かなくて…」
『拾って下さった首領(ドン)には働いて恩返しするのが筋だと思いましたので』

クズな両親のせいで娼館に売り飛ばされそうになったところを拾って下さったのは感謝してもしきれない。私の家族になってくれたことも勿論感謝している。

だけど、だからといって恵まれた環境に甘えてばかりいるのは違う。私は私なりの恩返しをするべきだと思っただけだ。

サ「いやぁ〜、今思い返してみてもあの頃のAちゃんも可愛かったな〜…あ、アルバムあるんだけど見る?」
オ｢え｣
『首領(ドン)、早く本題に入って下さい』

今まで沢山写真を撮られていたし、イルマくんのアルバムを見たことがあるからそりゃ私のもあるだろうなとは思ってたけど…

片手で頭を抱えながら呆れてため息をつく。これじゃあただ思い出話をしに来ただけではないか。

サ「……ちぇっ、分かったよ…それじゃあ2人とも、よく聞いて欲しい」

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