被食者にだけはなりたくない。

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私の天使ってなんでこんなに可愛いのかな。

メニュー表を一生懸命眺めるイルマくんを微笑ましく見守りつつ、先方を待つ。

……睨み合ってる2人の幹部は無視して、だが。

イ「すみませ〜ん、8(ケト)ランチを50人前追加で!」
『イルマくんは本当によく食べますね〜!沢山食べて大きくなりましょうね〜♡』

よしよしとイルマくんの頭を撫でながら料理が運ばれてくるのを待ち、自分もメニュー表を眺めてどれを食べようかと頭を悩ませる。

……悩ませているのだが。

オ「陰湿野郎」
カ「バカ力め」

…………まだやってるのか。
いい大人が2人揃って何をやっているんだか……。

『…あの、そろそろ先方も来ますし、くだらない喧嘩はそこまでにして貰えますか？』
「「あ"？」」
『はぁ……』

呆れてため息がこぼれる。
イルマくんもオロオロしちゃってるし、先方が来てもこのままだと流石に失礼だから、出来れば外でやって欲しいんだよな…。

イ「ほらっ、2人とも!万屋さん来るまで一緒に食べ……」

イルマくんが2人を気遣って声をかけたその瞬間、ガシャーン!!と、大きな音と共に巨漢が真上から落ちてきた。

『若頭(ボス)!!』
カ「A!!」
『わっ!?』

若頭(ボス)であるイルマくんを守らなければ、と咄嗟に駆け出したのも束の間、カルエゴさんに手を引かれて庇うようにして抱き抱えられた。

幸いイルマくんはオペラが守ってくれたから無事だったけれど、私が1番に守ってあげたかったという悔しさと嫉妬で頬を膨らませる。

……私だって強いのに。

『…すみませんカルエゴさん、ジブンなら大丈夫です』
カ「怪我は無いか?」
『ええ、かすり傷ひとつありません』
オ「……」

まぁ、視線は刺さりまくって痛いけどね。

上から降ってきた巨漢には驚いたが、先方が来たみたいだからちゃんとしなきゃ。

スーツを叩いて軽く身なりを整え、先方の万屋さんに向き合う。

小柄で可愛らしい見た目をしているが、その手には竹槍が握られており、血が滴っている。

カム「長の座狙う者は害敵(クレティーノ)とみなす」
カム「害敵(クレティーノ)は竹槍で突く」

わぁお害敵即殺(サーチアンドデストロイ)!!

気性の荒い万屋さんだなぁ…。

カ「…若頭(ボス)、こちらが最高品質の品が並ぶ万屋を営み、カララギ一帯を指揮している絶対権力者……」

カム「万屋カムカム。よろしく」

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