被食者にだけはなりたくない。

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『はぁぁぁ……』
カ「…おい、手が止まってるぞ」

デスクで頭を抱えていると、カルエゴさんにチョップを食らった。……うぅ、地味に痛い…。

頭を抑えながらカルエゴさんを見上げてみると、カルエゴさんの顔色が良くないことに気づく。なんだかやつれているような…??

『カルエゴさんこそ大丈夫ですか?お疲れのようですけど』
カ「……ああ、まぁちょっとな」

苦虫を噛み潰したような表情でそう返され、これ以上は掘り下げない方がいいな、と思案する。

『…そんな事より、聞いてくださいよカルエゴさ〜ん』
カ「忙しい」
『はぁ!?何なんすか、カルエゴさんのケチ!!』

ブーブーとブーイングの声を上げ、仕方なく仕事に戻る。……まぁ、仕事しながら愚痴るんだけど。

『実は……先日、女の姿でオペラに出くわしまして』
カ「ﾝｺﾞﾌｫｯ!?」
『えっ!?ちょ、大丈夫ですか!?』

コーヒーを飲んでいたカルエゴさんが吹き出してしまった。……珍しい、あのカルエゴさんが吹き出すなんて…しかもむせてるなんて。

カ「ゴホッ、ゴホッ……何故そんな事に……」
『いやぁ〜、副業してる店に、イルマくんとオペラが来まして…』
カ「待て、情報量が多すぎる」
『ですよね〜』

…と、まぁかくかくしかじかカルエゴさんに全てを話し終え、最後に盛大なため息を吐く。

『まっっっじで最悪……』
カ「…まぁ、お互い災難だったな……」
『はい……』






カタカタカタカタ……

『……あの、カルエゴさん』
カ「……何だ」
『……ジブン、オペラ(ヤツ)にポチ呼ばわりされてるらしいんですよね』
カ「…………ﾝｸﾞｯﾌwww」

……ウケた。普段笑わないカルエゴさんに。

『有り得ないでしょ!?ジブン猫派なのに!!』
カ「…… オペラ(ヤツ)らしいな…ww」
『はぁ…早く帰ってシャリちゃんに癒されたい……』

スマホのロック画面を開いて、愛猫のシャリちゃんの写真を眺める。…うちの子ほんっと可愛い……。

『……よし！今日もきっかり定時で帰るぞー!!』
カ「せいぜい頑張るんだな｣

全ては愛猫シャリのため。そして何より時は金なり!

気合いとシャリへの愛の力で仕事を片付け、駆け足でバビルを飛び出した。



















『ただいま〜!!』
「にゃ〜」

ブルーグレーの天使は、いつも愛らしい鳴き声で主人を出迎えてくれる。

愛しい彼女を抱きあげれば、ビロードのような滑らかな毛並みに指が沈む。

『シャリ〜♡』
「にゃあ〜♡」
『我が癒し……大好きよ……‼︎』

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