人間オークション ページ7
いよいよ人間オークション会場へと足を踏み入れた私。
席には結構な人達が座っていた。
キッドさんは席には座らず入口脇の柱に寄り掛かる。
｢おい、A。あんまり離れんじゃねェぞ｣
『あ、はい。すみません』
てくてくとキッドさんに寄って、コートの端を軽く掴んだ。
こうして見ると、やっぱりキッドさん大きい。
…と言うか、この世界の人達身長ずば抜けてない？
目線違いすぎてちょっと怖い。特に見下ろされてる時尚更。
会場内にオークションを取り締まっているであろう人物のアナウンスが木霊している。
ステージには首に鎖を付けられている人達が値をつけられていくのを静かに待っている。
その顔からはもはや生気が抜けかけている人も多かった。
『…酷い』
ぽつりとそう呟くと、何故かキッドさんにコートの内側に仕舞われてしまった。
『うぶ、ちょっと…』
｢お前はあれを見て他に何を思う？｣
怖そうなイメージのキッドさんから思わぬ質問が飛んできた。
コートの内側で、私はオークションに賭けられていく人達を見て静かに言った。
『…酷い、の他を言うなら、可哀想と。もう自分で未来を歩めないのが何よりも可哀想で、絶望的で。
人はこんなにも簡単に、他人に人生を奪われてしまうんだなと…思いました』
｢…そうか｣
『答えたんですから…なんでこうしたのか理由言ってくださいよ、キッドさん』
私はコートの内側で顔を埋めながらキッドさんに問う。
｢ああ、そりゃな…お前が目ェ付けられてきたからだ｣
『…私は売りもんじゃねぇ』
｢だからこうしてやってんだよ｣
キッドさんはそう言うと私の頭をぐしゃぐしゃと撫で回した。
『ちょ、痛っ…痛い！』
｢変に見られたくなかったら黙ってるんだな｣
『うわあ…言い方あ…』
恐らくジト目で見たかもしれない。
キッドさんを見ようとしたけど、頭を掴まれて無理矢理オークションの方に顔を向けられた。
くっ…どうしても顔は見せないってか、卑怯な奴め。
ぐぬぬ…としていると、閉まっていたオークション会場の扉が開く。
入ってきたのは、見慣れた人物達。
その顔達には覚えがあった。
｢頭…ありゃ確か"麦わらの一味"の……｣
と、キッドさんの船員さんが告げ口をする。
そうだ、麦わらの一味だ。
サンジさんにナミさんにチョッパー、フランキーさん…うわあ、本物だ。
本物に会っちゃった。
驚く所だろうが、何故だか感動した私である。
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onepiece好き - 面白かったです！無理しない程度に頑張ってください！ (2020年4月14日 22時) (
レス) id: ee5607c705 (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - ゆず招き猫さん» リアルでの生活がありますから、更新は作者様のペースで頑張って下さい(´∀｀*)楽しみですw (2019年7月9日 15時) (レス) id: 2ac506ad59 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず招き猫(プロフ) - ライさん» 面白いとは左様でございますか…！！こちらこそありがとうございます！最新止まってしまってるのですが、全力で頑張らせて頂きますね！！ (2019年7月8日 23時) (レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - 面白いっ！素敵な作品をありがとうございます。これからも更新頑張って下さい！応援しています。 (2019年7月8日 22時) (レス) id: 2ac506ad59 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず招き猫(プロフ) - 心さん» ありがとうございます！頑張らせて頂きますね…！！ (2019年5月28日 18時) (レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず招き猫 | 作成日時：2019年5月2日 18時
