慣れた予感 ページ6
『じゃあ、お礼はもう言いませんので…お名前ぐらい聞かせて貰っても？』
｢何だてめェ、おれの名前も知らねェのか？｣
『生憎手配書とかそこら辺見ない人間ですので』
｢変わった女だな…｣
冷静にヤンキーに突っ込まれちゃった。てへぺろ。
ヤンキーみたいな人は気を取り直して、私の前に立つ。
そして自身の名を述べた。
｢おれはユースタス・"キャプテン"キッド。…そらどうだ、覚えたか？女｣
『ユースタス…ああ、あの。ええ、覚えました。キッドさんですね』
そう言えばそんな名前の人この世界に居たな。
あ、いや単に存在感薄いから忘れてた訳じゃないよ。一時的に頭から居なくなってたと言うか…。
いや、忘れてた。ごめんなさい。
｢じゃあ今度はお前が名乗れ｣
『え、一般人も名乗らなきゃならないパティーン？』
｢名乗んなきゃ答えにならねェだろ｣
まじかー。
私また一人の海賊に名前教えちゃうんか…。
知名度上がっちゃったらその内海軍の耳に…ああ、いや最悪の事態は想像したくない、辞めておこう。
ぶんぶんと頭を振って嫌な考えを頭から消す。
こほん、と咳払いをして嫌だったけど名乗る事にした。
『えっと…Aです。Aと言います』
｢A…か｣
…なぜに今リピート？
そしてなぜ物珍しそうに私を見下ろす？嫌な予感。
｢…A、お前おれの所に来る気は｣
『ごめんなさい、間に合ってます。一般人巻き込まないでプリーズ』
｢早ェな｣
『断り大事、言い切る前に』
こういうの経験あるぞ、あの人の顔がぼんやり浮かんだぞ。残念ながら私もう所属してるから行けないもんね、諦めて貰うかんね。
キッドさんも諦めのいい人であってくれと切に願う。
はらはらしていると、やがてキッドさんはため息を漏らした。
｢…勧誘はナシだな、せっかくいい女が拾えると思ったのによ｣
『あ、体目当て爆ぜろなのでそこんとこ良しなに』
｢お前さっきから何言ってやがる…｣
勧誘を断れば終いには飽きられる始末。
仕方ない、だって安心したんだもの。
ほっと一息つくと、キッドさんは踵を返す。
オークション会場に入ろうとしていた。
｢お前一人じゃ何されるか分からねェからな、終わるまでおれの傍から離れんなよ｣
『え、何それかっこいい…惚れる…』
｢簡単に言うんじゃねェ、バカ野郎｣
『いでっ』
本当の事言ったのに軽めの拳骨喰らってしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 202人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
onepiece好き - 面白かったです！無理しない程度に頑張ってください！ (2020年4月14日 22時) (
レス) id: ee5607c705 (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - ゆず招き猫さん» リアルでの生活がありますから、更新は作者様のペースで頑張って下さい(´∀｀*)楽しみですw (2019年7月9日 15時) (レス) id: 2ac506ad59 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず招き猫(プロフ) - ライさん» 面白いとは左様でございますか…！！こちらこそありがとうございます！最新止まってしまってるのですが、全力で頑張らせて頂きますね！！ (2019年7月8日 23時) (レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - 面白いっ！素敵な作品をありがとうございます。これからも更新頑張って下さい！応援しています。 (2019年7月8日 22時) (レス) id: 2ac506ad59 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず招き猫(プロフ) - 心さん» ありがとうございます！頑張らせて頂きますね…！！ (2019年5月28日 18時) (レス) id: 58755f093a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆず招き猫 | 作成日時：2019年5月2日 18時
